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寄生虫と対策

 体内寄生虫の飼育動物に与えるダメージはひじょうに深刻な場合が少なくありません。それを回避する最良の手段は、野生採集個体を飼わないことです。寄生虫は細菌ではないので、感染はしません。しかし寄生虫を持っている個体の糞には、寄生虫やその卵が含まれるので、同居している他の個体が、直接あるいは間接的に糞を口に触れるようなことがあると、寄生虫をもらってしまうことになるでしょう。
 野生採集個体を持ち込まなければ、寄生虫の心配はまずありません。それと、寄生虫が親から子へ受け渡されることもほとんどなく、生まれて間もない、なにも口にしていない個体は、野生のものであっても寄生虫の心配はありません。
 野山で何かの卵を拾って来て孵化させた場合、その子はクリーンです。
 ペットショップには、人工的に繁殖させた、いわゆる養殖個体が用意されている場合が多く、これを買い求めれば寄生虫の脅威とは無縁でいられます。ただ、養殖個体なのか野生採集個体なのかは、一見して判らない場合が多いので、お店の人の言い分を信じるしかありません。
 犬猫からあらゆる小動物を扱う、ペットの量販店みたいなお店が最近は少なくありませんが、その手のお店では、スタッフに爬虫類や両生類の知識の少ない場合が多く、野生か養殖かの区別もつけずにお店に並べていたりします。でも爬虫類や両生類の専門店になると、野生か養殖かの区別の重要性を熟知していて、適切なアドバイスをしてくれることが多いです。こちらから野生か養殖かを尋ねて答えられなかったり、ウソをついたりされることは、筆者はほとんど経験したことがありません。

 専門用語で、養殖個体のことをCB(キャプティヴブリーディング)と言い、野生採集個体をWC(ワイルドキャッチド)と言います。専門店で、「このトカゲはCBですか?」なんて尋ねれば、それだけで養殖・野生の区別の重要性を買い手が知っていることを店員に伝えることができ、きちんとしたアドバイスを受けることができます。
 野生採集個体に手を出すなと言っても、人工繁殖が容易でない種では、WCしか市販されていなかったり、CBがあきれるほど高価だったりすることがあります。
 種によってはWCであっても問題なく長期飼育が可能なものもいますし、お店で充分なトリートメントがなされていて安心いて飼える場合もあります。そのような種あるいは個体については、飼育の安全性についてお店の人の説明を受けると良いでしょう。
 また、駆虫済みという表記がされているWC個体もあります。駆虫とは投薬によって寄生虫を駆除することで、これも安心できます。

 駆虫は獣医が行なう専門医療になりますが、患者を医院に持ち込んで治療してもらわなくても対処してもらえます。犬猫ばかりでなくエキゾチックアニマルも診てもらえる医院に問い合わせを行ない、指示に従って飼育動物のなるべく新鮮な便を獣医に診てもらいます。獣医はこれを顕微鏡で観察して寄生虫を見つけ、その種類に応じた適切な薬を処方してくれます。
 動物の便を持ち込むとき、動物の種類と個体の体重を申告しましょう。体重が判らなければ、「これくらいの大きさです」なんて手で示せばよいでしょう。
 薬の与え方や分量回数については、獣医の指示に従えば良いわけですが、餌に混ぜて食べさせる方法が一般的です。
 適当な獣医を見つけられない場合には、動物を入手したショップに尋ねれば教えてくれると思います。中には、適切な薬を分けてくれるショップもあるとか、総合駆虫剤なんてのがあってそれを教えてくれる場合があるとか、聞いたことがありますが、獣医にかかるより安くつきますから試してみるとよいかもです。でも、その信頼性は未知数なのでお勧めはしませんけどね。それ以前にショップで薬が入手できるなら、動物を販売する前に駆虫しておいてくれればよいじゃないですか。
 安価で確実な総合駆虫剤について正しい情報をお知りの方は、ぜひ筆者にも教えていただきたいものです。

※ 文中のWC(ワイルドキャッチド)という語句について、2014/3/18に 通りすがり様より、誤りであるとのご指摘を受けました。正しくは“ワイルドコート Wild Caught”です。お詫びと訂正を付加させていただきます。

コメント
WC個体は「ワイルドキャッチド」なんて呼ばれていないと思いますが‥ 勝手に作りました? 正しくは「ワイルドコート(Wild Caught)」のはずです。公開する前に確認しないんですか? こんなに指導的な感じで書いていらっしゃるのに‥。
  • 通りすがり
  • 2014/03/18 2:21 AM
通りすがり様。
ご指摘ありがとうございます。
かれこれ20年くらい前に、某ショップの店員さんにWCのことをワイルド・キャッチドと教わり、以後今日に至るまでずっとそれが正しいと信じて使ってまいりました。
今の今まで間違いを指摘されたこともありませんでした。筆者の無知により不快な思いをさせご迷惑をおかけしたことはお詫びのしようおありません。
ご指摘いただいた記事には追加文をほどこして訂正させていただきます。
ありがとうございました。
  • 筆者
  • 2014/03/19 11:36 AM
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