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ヒラズゲンセイ

2018/07/24


 日本に棲息する甲虫類の中でもかなり奇妙なのがツチハンミョウの仲間です。ハチの育児能力をあてにし、自分の幼虫をハナバチの巣内に送り込み、育てさせます。本種の場合はメスがクマバチの巣内に進入して産卵しますが、ツチハンミョウでは幼虫は花の中でハナバチが来るのを待つと言いますから、なんとも一か八かの生き方をしているわけです。ハナバチと出会えなかった幼虫は死を待つしかありませんから、メスは山のように産卵し、そのためにひじょうに大きなお腹をしています。見た目も生態もなんとも奇妙な虫です。

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 ヒラズゲンセイは、何と言っても名前が変です。ツチハンミョウの仲間なのに、なにゆえこんな名前? そもそもツチハンミョウ自体が意味不明な名前ですけど。

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 かなり大きな甲虫ですが、体はひじょうに柔らかく防御性がありません。代わりに有毒物質を分泌し、接触してくる敵を退けます。素手で触るとかぶれるらしいです。
 カミキリモドキの仲間も同じように体が柔らかく、毒で防御していますが、形態的にも似ており、進化系統的に近いことが伺えます。

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 これはオスですね。この大きな大顎でオス同士が闘ってメスを勝ち取るのだそうです。敗北したオスの死骸が多数転がっているのを目撃したという記述を読んだことがありますが、オス同士の闘争が殺戮に発展するというのはいささか疑わしい気がします。繁殖に参加したあとのオスが死して転がっていることはあるでしょうが。

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 腹面図。赤い毒々しい体はひじょうに柔らかいですが、6肢はまっ黒でしっかりしています。じゃが、動きは緩慢で力強くありません。成虫は短命で採餌しないとも聞きます。

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 触ると痛い目に遇うと言いますが、あまり刺激しなければ問題ないでしょう。子供の頃はツマグロカミキリモドキをどっさり捕まえて来て素手で触り倒していたものです。たまにかぶれる子供もいました。

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 それにしても見れば見るほど異様な虫です。これほどの大きな虫ですから、宿主も大きくて、クマバチの巣に産卵するそうです。フジの花があれば高確率でクマバチが見つかり、クマバチがいれば本種を見つけられる可能性も高まります。とは言うものの、希少な珍虫ですから、おいそれとはお目にかかれません。

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 頭部拡大図。ユニークだ。複眼がたいへん小さくて、ちょっとダンゴムシ的な面構えです。

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 とりあえず飼ってみましょうか。飲み水と昆虫ゼリーを用意してやります。食するかどうかは疑わしいですが。
 以前にうちから遠からぬ山中でも見たことがありますが、今回入手した個体はいただきものです。

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 子供の頃に作成していた甲虫類の標本の中に、マメハンミョウ(緑矢印)とオオツチハンミョウ(朱矢印)がいました。マメハンミョウの方は一カ所にたくさんいた記憶があります。こいつはマメ類やジャガイモ等の葉を食害し、幼虫は地中のイナゴやバッタの卵を食べるそうです。

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