オオベニヘリコケガ
2019/01/03
本項は、もともとハイイロヒトリとして記載しておりましたが、幻日様よりご指摘をいただき、翅脈にそった黒筋、前胸部および肢の黒紋から、教えていただいたとおりオオベニヘリコケガといたしました。幻日様、ありがとうございました。
以下は、訂正前の記述をそのまま残しております。
2018/08/28
黄ばんだ白色の小さな蛾です。翅脈が黒くなるのがよく目立ちます。個体によっては、名前のとおり灰色を帯びたものもいるようですが、この個体が標準的な色合いだと思います。
前胸前方のよく目立つ黒紋が目のように見えますね。
触角が大きいのでオスです。
じつは、ひじょうに衰弱していてほとんど動こうとしません。夜間照明に飛来してそのまま留まり、何日かして標本と化してしまう、そんなことはよくあることです。なんだかむなしいです。
腹面図。オスは腹部がほっそりしています。
最近、ツイッターやブログで、本種のメスのフェロモン放出写真というのを見ました。大きなヘビのようなものが尾端から何本か伸びているさまは、なんとも奇妙な光景ですが、そもそもフェロモンというものは、異性を引き寄せる臭いのようなものだと思っていたので、形ある器官が放出されるというのは、驚くべき状況でした。しかもあれこれ文献をたどると、フェロモンを放出するのはオスの方だと書かれてありました。
一方で、フェロモン分泌のための器官を伸ばしている写真では、触角の小さなメスと思われる個体が写っていました。お腹も大きいし。本当のところはメスなんだと思います。
いずれにせよ、実際にその現場を見てみたいものです。
こちらの写真ですが、ハイイロヒトリではなくオオベニヘリコケガという別の種類の蛾ではないかと思います。
ご確認くださいませ。