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引き寄せの法則?

2014/01/26


 最近になって「引き寄せの法則」というおもしろい考え方を知りました。その基本となるのが、自分に起きる出来事は、自分の思ったことからしか起こらないという考え方なのだそうです。つまり身の上に起こる出来事は自分が思い抱いたことに起因しているというわけです。事故や病気が自分の思ったことだと言われたら反対したくなりますが、思えばかなうということが現実味を帯びてくるのだとすれば興味深いですよね。
 これはビジネスに成功する方法として紹介され有名になったのだそうです。関連記事をネットであれこれ調べて見なすと、なんかすごいことが書かれてありました。世界人口の1%以下の人が、世界全体の95%以上の富を独占しており、その成功者はみんな気づくと気づかざるに関わらず引き寄せの法則を実践しているというのです。
 自分は成功したいと念ずるのではなく、そうなることを信じて疑わないことによって成功が自分の身の上に起こるのだそうです。成功せず、人生の勝ち組になれない人というのは、信じる力が足りないのでしょうか。
 人間社会はとかく経済的尺度で計られます。経済効果が高いほど価値があり、経済効果を産まないものは価値がないとされます。しかしながら、経済なるものは流動し続けるもので、その原動力は人間の生活つまり文化のはずなのですが、その文化がことごとく経済的な価値観で計られ評価されるのが現状です。でも本来、経済というものはお金の流れであり、お金というものはもともとモノの価値を数値化したものなのです。原始の経済は物々交換で、それぞれのモノの価値を数値化して便利にしたものが貨幣です。Aさんが油を持っていてBさんがそれを欲しいのだけれど、Aさんが欲しがっているリンゴをBさんは持っていない。しかし経済に貨幣というものを使えば、Bさんは貨幣とAさんの油を交換でき、Aさんは得た貨幣でリンゴを持っている人からそれを交換できます。貨幣はものの価値を計る単位に過ぎないはずなのです。
 それなのに、貨幣のやりとりに利息が生じたり、株式市場で証券というものに変じてその価値が変動したり、国ごとに価値の異なる通過をやりとりすることで、差益や差損が生じたりといった、本来ものの価値を計る単位に過ぎなかったものが独り歩きを始め、お金は持っている人の所に集まる仕組みが出来上がり、正義は失墜し世の中が交配する様になりました。財産が、その人の生産性に応じて配分されなくなってしまったわけです。
 経済的に混濁した人間社会において、引き寄せの法則とはどのように働くと言うのでしょう。自分は金持ちになると信じて疑わなかったらそうなるのでしょうか。なんだかよく判りません。

 それなのに筆者がこの法則が気になり、興味を覚えたのは、それによって経済的な勝ち組になれる可能性を信じたからではなく、引き寄せという現象自体を我々が経験しているように思えたからです。
 筆者は、ご存じの通り幼少の頃から生き物が好きで、多くの動植物と接することを強く夢見てきました。生き物と接しない人生なんて考えられないと思うくらい強く夢見てきました。そのことと幼少の頃に手に入れた昆虫図鑑、虫好きな友たちとの出会い、大人になって筆者に外国産の昆虫を紹介してくれた友人と出会い、ペットトレードの業界のトップレベルの人と出会えたこと、それらはまったく無関係だったのでしょうか。類は友を呼ぶのことわざにもあるように、無意識のうちに同業者と出会う機会が増え、機会が増えるごとに出会いも質の高いものへと進歩していったような気がするのです。出会いは人ばかりではなく、前述の昆虫図鑑をはじめ様々な良書や優れた情報ともであいました。おかげで、自分でもびっくりするくらい多くの動植物と接する経験ができました。
 筆者はまた、アニメや文学にも興味があり、高校時代にはクラスメイトと共に小さな同人誌を作る様になり、それが社会人になってから自費出版の同人誌作りへと発展したのですが、その時期にワープロなる文明の利器が一般化し、同人誌専門の印刷所というものが増え出し、コミックマーケットという市場が開発されました。これらの出来事と出会わなければ、筆者の同人誌活動はどうなっていたことでしょう。
 それから世はネット時代を迎え、様々な動植物と接する機会、様々な人やその知識と出会う機会はどんどん増え、筆者のナチュラリストライフはたいへん充実したものになりました。
 筆者は、やりたいと思ったことは絶対に実行するという信条を若い頃から持っていました。筆者ごときが思い抱くやりたいことなんて、偉人たちからするとたいへんちっぽけなもので、たとえばカブトムシを自家繁殖させるとか、全国から同士を募ってオリジナル創作の同人誌を刊行する会を作るとか、将来は山岳地に居を構えて自然を身近に感じるところで過ごすとか、世界の珍しい獣虫類を飼育するとか、その程度のことですが、それらの事柄でも筆者ひとりの力ではかなわぬ夢で、相応の機会や人との出会いがなければ実現しませんでした。あの時、あの人と出会わなければ、あの時、あの本を見つけられなければ、自分の思いは実現しなかっただろう、そんな有り難い偶然を筆者は山ほど経験し、そのおかげで夢をかなえてきました。思いというものは引き合うものなのかな、そんな感覚を若い頃から持っていました。筆者が引き寄せという語句に気を取られたのはそうした理由からです。
 人は、思いがなければ重要な事柄と出会っても見過ごしてしまうでしょうし、大切な友との出会いも果たせないでしょう。また、思いがあれば出会いや機会は向こうからやって来るものなのかもしれません。
 引き寄せの法則と、筆者が思い描く引き寄せ効果とは、意味合いがずれているのかも知れませんが、まったく異質なものでもない気がします。引き寄せの法則とは、経済的に豊かに幸せになるための法則なのだそうですが、だからと言って念ずれば宝くじが当たるとか、思わぬ遺産が転がり込んでくるとか、そういうことではないでしょう。念ずれば自分の欲する機会や出会いを見逃さず、それによって自分が成長し、社会的影響力を持つほどの力を発揮する可能性も出てくる、といったことなのではないでしょうか。

 古来より日本人は縁というものを大切にしてきました。出会いを大切にするという考え方の裏にも、引き寄せ効果に通ずるものがあるような気がします。
 引き寄せ効果はまた、個人的なものではなく、大勢の人の思いをも叶えるものでしょう。絶対君主が支配する大むかしの政治形体からどんどん民主化が進んだのも、大洋を渡る技術を獲得したのも、電波の利用によって遠隔地間の同時通話が実現したのも、ネット社会が構築されたのも、人々の思いが技術革新を産み新しいシステムを世にもたらしたのではないでしょうか。
 筆者が幼少の頃に、どこかの秘境に棲む珍獣と言われていた動物が、今では身近なペットになっています。筆者が手書きで同人誌を作っていた頃は、ワープロのような機械が発明され安価でハイクォリティな簡易印刷が現実のものとなるのは、遠い未来のことだと思っていました。これらの革新も人々の思いがなければ、遠い未来のことのままだったかもしれません。筆者がワープロを手にしたばかりの頃は、キーボードをスラスラたたくと周りから感心されました。今ではパソコンを使えるのは人として当たり前で、小さな携帯端末で写真や動画入りの記事を作成するのも常識です。新しい技術が登場したばかりの頃には、万人がこれを使いこなし、普及して安価で日常的なアイテムになるのはいつのことだろうと不安になるものですが、たちどころにそれは実現してしまいます。
 もしも世の中に引き寄せ効果のようなものが存在せず、出会いや巡り合わせのすべてが偶然でしかないのだとしたら、世の中の変化はこれほど目まぐるしくなかったかもしれませんし、それに人々が着いて行けなかったかもしれません。人々がついてゆけなければ、変化は現実のものとはなりませんし。また、引き寄せ効果のようなものが存在しなかったら、人類の文明は今日まで続くことなく戦争で滅んでいたかもしれません。

 引き寄せの法則は、宇宙の法則のひとつでもあるそうです。そうだとしたら、地球という星で生命が誕生し、数々の天変地異にも耐えて人類にまで進化するようなこともなかったかもしれません。進化がすべて偶然の選択によって推進されるものだとしたら、それこそ地球の生態系は今日まで滅びることなく続いただろうか、なんて思うわけですよ。
 思いの実現というのは、ひじょうに遠いことのように感じますし、それこそ宝くじにでも当たるような幸運に恵まれないと無理なことのように感じますが、思わなければ、信条を持たなければ出会いも訪れないし幸運もやって来ないのかもしれませんよ。

コメント
はじめまして。いつも拝見させて頂いております。率直に聞きます。貴方様は何者なのですか?凄まじい飼育数、数多の機知、ただものとは思えません。
  • 船乗り
  • 2014/01/26 3:55 PM
船乗り様。
コメントありがとうございます。筆者は何を隠そう、一介のサラリーマンです。高校卒業後関西の地方鉄道に入社し、趣味でいろいろ生き物を飼っています。
会社では万年平社員、趣味の分野でも何も社会的な業績は残しておりません。
飼育歴の長さと飼育数が多ければ良いというものではありません。単なる好奇心で、出会った生き物はとりあえず飼ってみようという姿勢を貫いているだけです。哺乳類や爬虫類は世話がたいへんなのでなかなか手が出ません。
筆者は優れた飼育者ではありません。数と種類を飼うことで進化や生態系の一片を観察してみようという発想が筆者を突き動かしています。
世間的に優れた飼育者は、素晴らしい飼育繁殖のノウハウを確立し、それを商売にまで発展させています。ほんとうにすごいです。そうした多くの方々にいつもお世話になっています。筆者の場合は、そうしたことにはあまり尽力せず、生き物と人間の有り様を観察することに精を出しているような次第です。
  • 筆者
  • 2014/01/26 4:49 PM
お返事ありがとうございました。私はトラペコの繁殖で検索してこちらを知りました。繁殖の難しいヘビだと聞いていますが、あっさり殖やされていているのはやはり洞察力の賜物ではないかと思います。
  • 船乗り
  • 2014/01/27 8:22 AM
トラペコはハンドリングできるくらいまでの馴化は比較的短期間でできましたが、人の手から直接マウスを食べるようになるのに2年かかりました。
繁殖のカギはペアリングであり、ペアリングのコツは雌雄の相性でしょう。そこでペアを1年以上同居させることで、ペアがお互いに親しくならないかと試してみたのが良かったのかもしれません。ヘビ食いの習性のある種
は不可ですが、本種やコーンにはこの方法が可能だと思われます。これらのヘビは常時ペアで同居させています。
  • 筆者
  • 2014/01/27 8:24 AM
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