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魚の水換え

2014/01/30


 魚の飼育にあたって飼育者がしなければならないことは、給餌と水の管理です。水の管理に必要なものは水を循環させるのに必要なポンプと、循環経路に設置して汚れをこしとるフィルターです。ポンプとフィルターはセットになっていて、これを濾過器(ろかき)とかフィルターとか呼びますね。水の管理にはもう1つ水温の調整があります。冬場はヒーターで、夏場は扇風機なんかを使って水温を調整します。
 日本の本州以北に棲む淡水魚であれば、水温の管理は室温に委ねればよいですが、アマゾン他の熱帯魚を飼うには、冬場は20℃以上夏場は30℃以下をキープする必要が生じます。冷水に棲む魚の場合は夏場は専用クーラーが必要となり、飼育装置はかなりおおがかりになり、かなりの騒音も伴います。
 一般的な熱帯魚であれば、冬場はサーモスタット内蔵のヒーターで水温をキープし、夏場はエアレーションや扇風機で過度の水温上昇を防ぐことで問題なく飼育できます。エアレーションとは、水中で泡を発生させるいわゆるブクブクのことで、扇風機はパソコンに内蔵しているような小さなものを水面近くに設置し、水面に風を当て続けるものです。エアレーションは水温上昇に伴って減少する溶存酸素を補うのに役立ち、扇風機は水を蒸発させることで気化熱を奪い、水温上昇を効果的に防ぎます。

 筆者は、現在は自室の机の上に30×30×30cmのキューブ型のガラス水槽を置き、この中で以下の魚を飼っています。

 コリドラス10匹
 サカサナマズ8匹
 グラスキャット6匹
 ハニーレモングラミー5匹
 プレコ2匹

 ベテランの飼育者やショップの方に言わせれば過密飼育もいいとこで、半分に減らしなさいと指摘されてしまいます。ところがこれにさらにドジョウやらレインボーフィッシュ、タナゴ、モロコなんかを入れて、今より20匹くらい多かった時期もあります。巻き貝も入ってたなぁ。今後ですが、群泳が好きなグラスキャットのために、その数を倍にして、あと入手できればおとなしい日本のハゼやシマドジョウを追加したいとたくらんでいます。
 この水槽も、今年で10年目です。ここでいろんな魚をまいりましたし、死なせてしまった魚も少なくありません。でもここ数年はあまり死なせていませんし、とくにここ1年は1匹も死んでません。
 魚たちを健康に長生きさせる秘訣は、基本を忠実に守る、これに尽きます。
 正直、筆者は好奇心から様々な魚を我流で飼育し、たくさん死なせてきました。様々なサイズの水槽をいろんな濾過器を使って調整し、幾多の失敗を経験しました。その果てにたどり着いたのが、結局のところ初心者だったころの方法となんら変わらぬものでした。
 過去を振り返って、画期的な方法や完璧なフィルター装置なんてありません。現在使用しているフィルターは、筆者が子供の頃に初めて見た水作君こと水作エイトと、吊り下げタイプの簡易フィルターです。いずれも専門店にゆかなくてもホームセンター等で売っています。

 魚の健康を維持するには、水質の悪化を防ぐことが重要で、専門書等では、優れたフィルターや優れた濾材(ろざい)選びについて解説されていますが、結局のところ水質を完璧にコントロールしてくれる装置や濾材なんて見当たりません。水換え不用なんていう頼もしいキャッチフレーズの濾材もいくつか試してみましたが、それと昔ながらの活性炭との差が筆者には判りませんでした。
 魚を飼うには、魚よりも設備にお金をかけろとも言われますが、それもいかがなものかと思います。ドイツ製の世界が認める素晴らしいフィルターが水作君をはるかにしのぐ濾過パワーを発揮してくれるのを筆者は経験していませんし、すべてがそろったシステム水槽もけっきょく多くの部品を外して我流のシステムに組み直しました。

 魚の健康を維持する、つまり水質を管理するポイントは、過剰に給餌しないこと、水換えをおこたらないことに尽きます。水換えにまさる濾過はありません。魚の数と水量に応じた水換えをおこたらなければ、フィルターなんて水作君1つで充分です。
 川は流れ続けることで、常に水換えを続けているようなものです。流れが滞ると腐敗します。専門書では、濾過にはフィルターでゴミや汚れを取る物理濾過と、微生物の分解による生物濾過があると説明されており、それはその通りなのでしょうが、流れの悪い池の水は腐敗します。微生物の濾過能力も無限ではないのです。
 魚の飼育書には、給餌について魚が速やかに食べきる量を1日2〜3回とかかかれていますが、筆者の場合は、食べきるのに1時間くらいかかる量を1週間に3回です。そして、水換えペースは2週間に1回。30cm水槽で30匹以上の小魚を飼う場合、このペースは落とせません。
 水換えのペースは魚の数に比例し、水量に反比例します。45cm水槽で同じ数の魚を飼うなら3週間ごとの水換えで大丈夫でしょう。ただし魚を増やすなら水換え回数も当然増えます。
 小さな水槽では、水草は使わない方が無難です。水草は酸素を発生しますし、水質維持にも貢献しているように見えますが、そうとは限りません。水草だって魚と同じ生きた細胞です。枯れ葉や老廃物を生成し、水をにごらせます。水草の維持はじつは魚を飼うよりも数段手間がかかります。なので筆者は、小さな水槽には模造の水草を使っています。

 能書きは以上で、筆者の30cm水槽の実際を具体的に見て行きましょう。
 底砂にはむかしからお馴染みの大磯砂を10年交換してません。もともと海のものなので最初は、念入りに洗って使いますが、一度使いだしたらあとはそのまま使い続けられます。底砂は必ず使用します。ここに有用バクテリアが住み着いて生物濾過に威力を発揮します。底砂のない水槽はすぐににごります。
 フィルターは、水作君と吊り下げフィルター。水作エイトは別売のエアーポンプに接続して使用するむかしながらのフィルターで、濾過とエアレーションの両方を一手に引き受けてくれます。水槽内で水作君はかなり目立ち、見栄えがよくないので、吊り下げフィルターだけでも良いと思います。吊り下げフィルターは、吸水用のストレーナーパイプだけを水槽内に伸ばしているので見栄えはいいですね。吸い上げた水を水槽外に吊り下げたタンクに取り込み、満タンになったタンクからあふれた水が水槽に返るという循環過程で、吊り下げタンクの中に設置してある濾材で水を濾過します。吊り下げフィルターは水を水槽に落とす時に酸素を混入させるので、これで溶存酸素は足りて魚が酸欠になることはありませんが、エアレーションによって溶存酸素量をさらにアップすると、有用バクテリアの増殖に効果があるように思えますし、稚魚の生育も良くなります。筆者は、エアレーション効果も兼ねて水作君は採用しています。水作君はブクブクを発生させる際に生じる水流で、周りの水を本体に吸い込み、本体内のスポンジで濾過を行なう仕組みです。このスポンジもバクテリアの温床になっています。

 それでは、2週間に1度の水換えを写真付きで見て行きます。



 まず、30cm水槽の全景ですね。温度計の左側の黒いのがサーモ付きヒーター。冬場は水温を23℃ていどに勝手に保ってくれます。ヒーターは可能であれば毎年買い換えてください。春先のそろそろヒーター要らないかな、って迷う時期にサーモが狂って魚たちが茹で死にするという事故が、筆者の水槽でも息子の部屋の水槽でも発生しています。ヒーターの故障は一夜にして魚を死滅させます。水温計は必須ではありませんが、ヒーターがちゃんと仕事しているかを見て安心することができます。この水温計は2つの磁石で水槽の外と内からガラスを挟み込むタイプで、よくある吸盤式のように吸盤が劣化して着かなくなるようなことがありません。
 緑なのが水草のレプリカ、その左のジャングルジムみたいなのは、サカサナマズたちの遊び場です。水草の後ろに水作君が2つ見えますか? そう、1つの水槽に2つも使ってます。ぶっちゃけると2つは必要ないと思いますが。濾過面積は大きいにこしたことはないと思うので……。
 右側の透明パイプが吊り下げフィルターの吸水ストレーナーです。フィルター本体は水槽の縁に引っかけてあり、水槽の外です。ストレーナーの吸水口は黒いスポンジが着いていて、餌とかを吸い込まないようになっています。



 水換えに必要なのは、でかいバケツ、15cmほどのプラケース(虫飼育用の使い古し)、洗浄ブラシ、水換え用クリーナーです。あと、タオルとか新聞とか台所で使うスポンジタワシなんかがあると完璧ですね。



 ますは、フィルター類、照明、ヒーターのスイッチを切り、水から引き上げます。水草やジャングルジムは水槽の水でササッとすすいでプラケースに入れておき、フィルター類はバケツに収容して水道のところへ運んで洗います。
 上の写真は、使用中の水作エイト2つ。左はモーターを内蔵し、立ち上げパイプから水を落とすタイプの水作エイトドライブ、右はエアーポンプにつないで使用するむかしながらの水作君。



 水作君をバラして中のスポンジを取り出します。2週間分の汚れと、発生した茶苔でコテコテです。これを新品のスポンジと交換すれば、水作君のメンテは完了です。



 最近の水作君は、スポンジコアの中心に活性炭入りのドラムが入っていて、濾過効果がアップしてます。活性炭の効果を期待するならこのドラムも2週間ごとに交換しますが、コストパフォーマンスを考えると、水洗いだけして半年は使い続けます。メーカーに怒られそうですが、活性炭の不純物吸着効果は2週間ですっかりなくなるものの、バクテリアの温床として有効です。



 水作エイトドライブの方には、活性炭ドラムの代わりに上の写真のような水中ポンプが入ります。水作ドライブのメンテは、水中ポンプ底部を外してその中のフィルタースポンジを洗浄することと、水を落とす立ち上げパイプを洗浄ブラシでゴシゴシ洗うことです。



 上の写真は、60cm水槽用上部フィルター用の交換マットです。安くてたっぷり6枚。これを水作君や吊り下げフィルターのスポンジに流用するとさらにコストパフォーマンスを向上させられます。



 60cm水槽用上部フィルター用の交換マットを1枚取り出し、3枚におろします。まず縦にハサミを入れて1cmくらいの細長いものを切り出します。次に残った部分を縦半分に切り分けます。切り分けたものが上の写真。



 1cmくらいにカットしたものは適当に巻いて吊り下げフィルターのマット代わりに使用し、残りを2分したものは、厚みが1cmほどあるので2つに割いて半分の厚みにします。



 1枚のマットから計4枚の厚さ5mmくらいの細長いマットが採れました。これが水作君用のフィルターマットになります。



 水作君のフィルターのコアに、上記で作った巻き付けて行きます。



 それらしくなりましたね。実際には、60cm水槽用上部フィルター用の交換マットでは少し長さが足りませんが、気にしてはいけません。これで交換用フィルターの購入代金がかなり節約できます。



 左の水作エイトドライブには、新品の正規スポンジを入れ、右の水作君には上記で自作したものを入れましたが、見た目にあまりちがいはないでしょ? 濾過効果も変わりません。



 上の写真は、水作君にエアを送るエアーポンプです。できれば静粛性の高いやつを選びましょう。筆者のように水槽と同室で寝る場合はとくに。



 GEXの投げ込み式フィルターです。機能は水作君とまったく同じですが、スポンジ交換が楽そうですし活性炭ドラムの使い勝手もよさげです。うちの水作君もずいぶんボロッちくなったので、今度使ってみようと思います。ちなみに吊り下げフィルターはGEX社のを使用してます。



 GEXの投げ込み式フィルターをバラしてみました。ちなみにこの方はロカボーイという名前なのだそうです。水作君よりも中身をいろいろレイアウトできそうですよ。



 吊り下げフィルターです。水槽の縁に引っかけてあります。GEX製です。GEX(ジェックス)は、水作社と並んで様々な鑑賞魚用品を開発している信頼できるメーカーです。このフィルターは長期間使用して故障しないし、水流の調整や、タンク内でのエアレーションが可能です。メンテナンスも楽ちんです。



 吊り下げフィルターのメンテは、吸水ストレーナーの洗浄です。本体は年に3回ほど洗えばよいでしょう。吸水ストレーナーはバラしてブラシで洗えますが、面倒ならこれも年に何回かでいいです。見た目の汚れは気にしたらキリないし。パイプがつまらなければ機能的に問題ありません。それよりも吸水口を覆う黒いスポンジを手揉みでしっかり洗います。これは毎回行ないます。



 吊り下げフィルターのタンクの中に、濾材をあれこれ詰め込みます。これはオリジナルのやり方で、メーカーは推奨していません。メーカーは専用のマットを2種用意していますが、筆者は適当にいろんな濾材を買ってきて、タンクにギューギュー詰めてます。写真中の左上のが本体に付属の正規交換用マットですが、これが古くなれば前述した60cm水槽用上部フィルター用の交換マットで代用できます。正規品にはスポンジ以外にも吸着剤なんかが入ってますが、それに頼らずとも別になにか買ってきて適当にタンクに詰めればいいと思います。
 濾材は小さなネットに入っているものが使いやすいです。ネットごと水洗いして何度でも使えます。写真中央の黒いのはネット入り活性炭。これだけは活性炭の効果を期待するなら毎回新品と交換します。バクテリアの温床として使うなら何度でも使えばいいです。



 そうそう、筆者の30cm水槽の上には金魚鉢が乗っかっていて、そこに巻き貝がいます。有名なレッドラムズホーンです。これも一緒に水換えしましょう。



 フィルターの掃除のついでに金魚鉢も水換えです。まずは金魚鉢の中身を取り出しますが、プラスチックのカップに土を入れて水草が植えてあのがそれです。あと、正味期限切れの炭とか。一部の貝たちも一緒に水揚げされますが気にしません。



 金魚鉢に残っているのは、大磯砂と残りの貝たち。と水。水を捨てます。その際にきめの細かいネットで水を受け、貝たちが一緒に流されるのを防ぎます。



 底砂が出てゆかないていどにほとんども水を捨てます。



 水道水を金魚鉢に勢い良く注ぎます。底砂が舞って、まだ残っている貝たちがゴミと一緒にクルクル回ります。捨てた水の温度は20℃くらい、水道から注いだ水は冬場は10℃以下。貝たちには過酷ですが、ダメージにはならないので気にしません。
 ゴミが舞っているうちにまた水を捨て、水道水を注ぎ、また捨てる。これを何回か、自分が気の済むまで繰り返し、最後は水を満たした状態で金魚鉢の水換えは完了です。



 先に取り出しておいて水草やそれにくっついていた貝たちを金魚鉢に戻し、排水を受けたネットに残った貝たちも戻します。写真の左隅にいるような小さな稚貝はゴミと見分けにくいので注意して拾ってあげましょう。次の水換えまでにはかなり成長しています。



 フィルターの清掃と貝たちの金魚鉢の水換えが終われば、自室に戻って水槽の水換えです。市販のクリーナーを使って、水槽内の水をバケツに吸い出します。クリーナーは吸水用のパイプと排水用のチューブをジョイントした単純構造のものでモーターなんか付いてませんが、排水を受けるバケツを水槽より下に置くことにより、その落差で水が吸い出されます。不思議です。



 写真では判りにくいかもですが、水と一緒に底砂とゴミが吸い上げられています。底砂は重いのでクリーナーのチューブを握って水流を弱めると落下し、ゴミだけが吸い出されます。底砂は有用バクテリアの温床なので触ってはいけないという専門家の意見もありますが、筆者は容赦なく底砂を吸い上げ、可能な限り中のゴミを吸い出します。
 底砂をゴミごと吸い上げて、チューブを握って底砂を落とす、を繰り返しながら水槽内の水を排水するのですが、水槽の片方の端から始めて順次反対側へ移動して行きます。吸い上げた底砂は作業を始めた端に落とすようにし、その部分に底砂の山を作ります。



 上の写真は、すっかり水を吸い取った状態です。左端から作業を始めたので、左側が底砂の山になり、右側は底砂がなくなって水槽の底が見えてます。この部分にわずかに残った水に、魚たちがひしめいています。左側の底砂の山は水面から大きく露出しています。
 排水作業の間の魚たちは水槽内で泳いでますから、ゴミや底砂と一緒に魚を吸わないように注意しましょう。



 排水後に残った水は深さにして3cmほど。クリーナーで吸い上げ可能な限界近くまで排水してしまいました。専門家の意見では、古い水に残ったバクテリアが再生できないから古い水は3分の1は残すのが良いそうですが、それで上手くいったためしがありません。古い水はおとんど捨ててしまえばいいです。



 バケツの古い水を捨て、そこに水道水を満たします。冬場は冷水をそのまま使うことはできません。温水が使える水道なら水温を調整して飼育水として使える温度にしてから水槽に注入しましょう。古い水を捨てる時に手で触ってその水温を把握しておき、注水する水温も手で計って調整します。温度計とか使わなくても適当でいいです。人の感覚がいい加減なせいで、水槽に残った水とかなりの温度差ができたとしても、魚へのダメージにはなりません。ただ、明らかに厚すぎる水を注ぐのは危険なので、感覚で計るのに自信がない場合は、バケツに水温計を突っ込んで20℃かその少し上あたりに調整します。
 むかしは水道水に消毒のための塩素が含まれており、それが魚にとっては致死量に達していましたが、今は水道局の浄水処理が改善され、水道水をそのまま使えるケースが多いです。塩素の心配の有無は地元の熱帯魚店や水道局問い合わせて確認しましょう。塩素の心配がある場合は、カルキ抜きなどの中和剤を使用します。中和剤は投入後すぐに塩素を塩素を中和し安全な水に変えてくれます。



 汲んできたバケツの水を、水槽に注ぎます。排水の時に作った底砂の山に向かって水を落とせば、魚たちに水流パンチをくらわせることがありません。水道にホースを連結し、シャワーで注水できるなら、バケツで水を運ぶ労が省けますし、水流パンチで魚をノックアウトする心配もありません。底砂の代わりにプラケースなどの受け皿を利用する方法もありますが、小さな水槽では使用が困難です。
 上の写真は、水を満たし、フィルターや水草のレプリカ等を元通りにした状態を水面から撮ったものですが、だからなに? って感じですか?



 吊り下げフィルターの本体(タンク)部分です。ネット入りの濾材が3つばかりつこんであります。本来このタンク部分には何も入ってなく、2種類の専用フィルターが装填されており、エアレーションが成されているのですが、このようにオリジナルレイアウトしたおかげでエアレーション機能は無駄になり、専用フィルターも1枚しか使えません。専用フィルターはタンクからゴミが水槽に戻るのを防ぐのに使っていますが、これが古くなれば安価な60cm水槽用上部フィルター用の交換マットを適当なサイズに切って、水をせき止める位置にねじ込んで流用します。安上がりだ。マットは水をせき止めるのが目的ではないですよ、ゴミの流入を防ぐためです、念のため。



 水換えが完了しました。今回は写真を撮りながらの水換えなので1時間ばかりかかりましたが、普段はもう少し短時間でできます。水換え直後はゴミがたくさん残っていたり、水自体が白濁して見えたりする場合がありますが、心配には及びません。水作君ご一同の濾過能力を信じましょう。バクテリアの繁殖が安定していない新しく仕立てた水槽では、水の白濁が数日続く場合もありますが、大丈夫です。気になるようなら、ネット入りの活性炭を水槽内に直接放り込んでも効果があります。
 夏場は水質の悪化が早いです。なので、水作君2つに吊り下げフィルターという3つ構えだと安心ですが、冬場はどれか1つでも良いでしょう。また、小さくて水量の少ない水槽ほど水の劣化も速く、劣化が始まると加速しますから、この例のようにあきれるほどたくさんフィルターを使うといいです。45cmや60cm水槽だからといってフィルターを5つも6つも使う必要はありません。大きな水槽なら、上部フィルターがていさいも良くてメンテナンスも簡単です。上部フィルターは、小水槽用の吊り下げフィルターとまったく同じ原理で、水槽の上に乗せるタイプで、濾過槽の容量が大きいというメリットがあります。ただ、吸水ストレーナーは1つで、水の循環に不安があるので、筆者なら水作君を1個追加しますけどね。

 60cm水槽で上部フィルターを使う場合も、あれこれ濾材を買ってきて追加すると楽しいです。楽しいだけでなく濾材の追加は、濾過面積をアップするので濾過効率の向上にもつながります。
 最近は、水換え不用をうたい文句にした魔法の濾材がいろいろ市販されていますが、筆者もいろいろ試してみたところ、水換え不用なんてものは存在しません。肝心なのは濾過効率の優れた濾材選びではありません。扱いやすく安価で洗って何度でも使えるものを選ぶ、これか肝心です。つぶつぶ濾材ならネットに入っていてササッと洗えるもの、入っていなければ女の子の足を包んでいるストッキングに投入してもれないように縛っておきます。これでストッキングごと洗えます。マット系の濾材なら安価で適当に切っていろいろ流用できるもの。
 交換用の濾材が高くつくから、フィルターの掃除が面倒で時間がかかるから、そんな理由で魚の飼育に飽きてしまう人は少なくありません。この問題点を解決することはひじょうに肝要です。

 濾過の他に、水質を維持するのに効果があるものに食塩があります。30cm水槽なら小さじ1杯くらいの食塩を水換えの度に入れておくと、病気の感染を防ぐ効果が期待できます。これはずいぶんむかしに会社の理髪師の女性に聞いた技です。彼女は鑑賞魚飼育のプロではないですが、長年金魚を上手に育てている方で、筆者はこの秘策に信頼をおいています。
 食塩は魚が実際に発病してしまった時にも効果を発揮します。30cm水槽なら大さじ山盛りくらいの食塩を入れても大丈夫です。コリドラス等のナマズ類は食塩に弱いと言われていますが、筆者の経験ではこの程度の量の食塩では平気でしたし、白点病なんかは早期改善ができ、治癒後は予防のために小さじ1杯の食塩を続けていました。
 尾ぐされ病や穴あき病といったもっと深刻な病気が発生した場合は、専門店に相談し、適切な薬剤の投与が必要になりますが、その場合は活性炭や吸着効果の高い濾材の使用は中止しないと、せっかくの薬剤成分が吸着されてしまいます。

 病気の原因、魚のストレスとなる亜硝酸円塩濃度の上昇、pHの低下、これらの防止を濾材や濾過装置に期待するのは誤りです。有害物質を中和する薬品、pHをコントロールする薬品、魚かの皮膚を守る薬剤、それらも水質の維持にはほとんど役に立ちません。pHが薬品によって制御できるのはきわめて一時的なものです。
 魚を健康的に長く飼育する秘訣は次の短い呪文に語り尽くされています。すなわち「水換えにまさる濾過は無し」

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