フェザーレッグヒヨケムシ
2018/11/21
9月下旬に入手した、筆者にとって3頭目になるヒヨケムシです。飼育難易度がひじょうに高く手ごわい相手です。
小さなプリンカップに入って送られて来ました。長い黄毛で被われたものがマットから覗いています。肉眼では、ある種の植物の芽のように見えました。
そっと掘り起こしてみると、ずんぐりとした体型の虫が出てきました。体長は3cmほど。これまでに飼ったことのあるヒヨケムシの中では最も小さいです。
ヒヨケムシとしては肢がとても短いですね。そして第1肢と第5肢の2対が大きくてたくさんの長毛でびっしり被われています。これがフェザーレッグの名の由来ですね。なんだか小さなブルドーザーといった雰囲気です。
このブラシのような毛の機能についてはまったく解りません。獲物の捕獲あるいは土を掘削するのにもそれほど好都合のようには見えません。
動きが緩慢で温厚な様子なので、そっと裏返してみました。腹面からも2対の肢の毛深さがよく判ります。
後肢の腿部にある小さな三角形が並ぶ器官は、他のヒヨケムシにも見られました。サソリと同じように地面を伝わる小さな振動を探知する感覚器でしょうか。
こうして見ると真ん中の3対の肢は小さくてあまり役には立たないように見えますね。
20cmのプラケースを用意していたのですが、ヒヨケムシが思いのほか小さかったので、しばらくの間はプリンカップのまま飼うことにしました。餌は頭をつぶしたレッドローチ。浅い皿に水をたっぷり含ませたティッシュを載せ、飲み水にします。木炭のかけらは、その下を掘って巣穴にするきっかけになるかと。
最初は、なんだかボーッとしているなぁと思っていたのですが。しばらくするとせっせとマットを掘りはじめました。掘削能力は高く、すぐにカップの底まで掘ってしまいました。
飼育を開始して数日間は、マットをすり鉢状に掘ってその底にいました。送られてきた時のようにマットの中に潜り込んで身を隠すことはしません。
さすがにこれでは手狭なようです。大きなケージに変えてやりましょう。
掘り返した土で飲み水も埋もれてしまいました。
大きなケージでも最初はあまり変わりませんでしたが、そのうち身を隠せるだけのトンネルを掘り、その中に納まっているようになりました。
トンネルの入り口からレッドローチを放り込んでやると、すぐに飛びついたのですが、またすぐに手放してしまいました。
その後の管理ですが、バスキングライトを点滅して昼夜の温度差を設けるといったことは行なわず、自然の温度に任せた状態にしています。10月下旬からは温室内に設置した温風機を20℃に設定しています。飼い始めて2ヶ月ばかり、餌食いは良好とは言えませんが痩せてくることもなく元気にしています。