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性格のちがい2

2014/01/11


 複数のコーンスネークを同じように飼っていても、性格に個体差が生じる点について、前回は性別による差異に着目してみましたが、それよりももっと確からしい差異を見つけることができました。それは品種によるちがいです。
 筆者は、生き物の飼育経験が長いにもかかわらず、ヘビの性別の判定すら満足に身につけていないダメッ子で、購入したショップでの表記を手放しに信じていたりします。そりゃあるていどは知ってますよ。ヘビのオスにはヘミペニスを収納するクロアカルサックという器官があって、それを確認する方法やツールがあるなんてことくらいは。でも、それって多少経験を積んだ多くの飼育者が知っていることですし、技術も持っていらっしゃるので、筆者があえてそれを習得しなくてもいいじゃないか、なんてナマクラな発想にいたってしまうわけです。
 そこで、前回の性差による性格のちがいがじつのところどうなのかを確認するために、飼育中のコーンたちの性別判定を確実にしようと考えたわけです。でも筆者が自信を持って判別できるのが成熟したトカゲモドキや一部のランドゲッコーぐらいだという、そんなんでヘビの繁殖とかよくやってるなぁと呆れられそうな状況なので、これは専門家の診断に委ねるしかないと考え、いつもお世話になっている愛知県のペポニさんにコーンたちを持ち込んだわけです。

 判定結果、クリームシクルのペアは雌雄でしたが、バターとラベンダーのペアは“ゆり”であることが判明しました。つまり、メスの方が馴化しやすいのかもという仮説は、バター&ラベンダーペアをして正しくないという結果になったわけです。
 ペポニ・インター店のマネージャーがサラッと言いのけたことには「ラベンダーは臆病な子が多いですからねぇ」
 種として同じDNAを持つコーンスネーク同士でも、性差よりも品種のちがいによって性格が変わるというのです。そう言えば、ロイヤルパイソンがそうでした。アルビノは拒食しやすかったり人や飼育環境への馴化が遅れがちだったりしたものです。それは虹彩が赤いせいで目がよく見えないからだなんて聞いたこともありましたが、夜行性のヘビってもともと視力をそんなに当てにしてないじゃないのかという疑問を抱いたものでした。
 その後、アルビノ個体がどんどん作出されるようになり、最近飼育したアルビノ品種では、馴化も餌食いもノーマルとまったく遜色なかったです、オスメスとも。アルビノも強くなったものです。
 ところが、ロイヤルパイソンのパイボールという品種は、馴化が遅れがちであるほか成長も目に見えて遅かったです、オスメスとも。馴化が遅いと餌食いも悪いわけで、成長が遅いのは多分にそのせいなのでしょうが、この品種もいずれはアルビノのようにたくましくなるのでしょうか。

 そもそも種として同じDNAを持つもの同士に性格の差異が現れるのはどうしてなのでしょう? 品種は人の手によって交配を繰り返すことによって作出されます。その過程で、特定の品種がたまたま神経質な個体であったものだから、その性格を子孫たちも受け継いでしまったのでしょうか。パイボールという変異が生じた元個体が図太い神経の持ち主だったなら、その子孫たちも活発な子たちになっていたのでしょうか。それともパイボール(まだらハゲ)という色彩変異が生じると、ロイヤルパイソンは弱気になってしまう、つまり性格は色彩変異に依存するのでしょうか。
 最近のロイヤルパイソンの飼育経験では、ノーマルやシナモン、アルビノは活発で、ゴーストは少し弱気またはむら気、パイボールはかなり神経質ということが観察できました。
 このようにロイヤルパイソンで品種の差異による性格のちがいというものを見ていながら、コーンスネークにそれを当てはめることを思いつかなかったことが、我ながら笑えます。

 ちなみに筆者のコーンスネークの飼育経験では、その大半がアルビノで、いずれも活発でよく馴化する子たちでした。ラベンダーはアルビノではありません。まさかコーンはアルビノの方がノーマルより人への馴化が良好なのでしょうか。その可能性は無きにしも非ずです。コーンのアルビノ品種はひじょうに美しいものが多く、様々なアルビノ品種が古くから作出されており、その数はアルビノ以外の色素変異品種を上回っています。コーンに関してはアルビノの方が人との関わりが深かったわけです。
 性格のちがいが生じる理由については、じつのところどんな要因があるのでしょうね。同じ種類の動物でもこうして性格がちがうというのはおもしろいものです。

 ということで、ゆりペアであることが判明したバター&ラベンダーは、同居を解消することになり、バター(メス)&ブラッドレッド(オス)という新たなペアで同居させることにしました。
 内気なラベンダー(メス)は、とりあえずシングルです。そのうち良縁を見つけましょ。シングルになってから、ラベンダーは少し元気がいいです。また、ブラッドレッドは、勝気なバターに遠慮している感じがします。バター(メス)強し。

 性格のちがいの要因について考えることもさりながら、飼育者の接し方もヘビの性格を左右します。飼育者がヘビたちをしっかりかまってやることが、なによりも馴化にとって重要であることをまず忘れてはいけません。
 それと、古くから言われてきた、ヘビを落ち着かせるために有効とされるシェルターですが、これは飼育者や環境への馴化という点ではあまり有効ではないということが、判ってきました。筆者の経験でもそうでしたし、上述のペポニさんも同じ意見でした。
 ヘビを飼育環境や飼育者に馴化させるには、大きすぎないケージにシェルターなしで飼うのがコツです。限られた広さのケージに馴れると、ヘビはそれ全体を巣あるいはテリトリーとして認識して安心するみたいです。そこを頻繁に訪れて餌をくれる飼育者の存在も、彼らの生活にとって当たり前の存在になり、彼らは飼育環境や飼育者にストレスを感じなくなります。
 ヘビは環境に慣れると不必要な動きはしなくなりますから、大きすぎるケージを持て余してしまいます。筆者が飼っている野生採集個体のアオダイショウ(メス)は、飼い始めて1年以上経つのに、いまだに大きくて重い水入れをケージの奥へ運び、その裏に隠れています。人の手からマウスを食べるていどには馴れましたが、置き餌しか食べようとしないことも多いですし、人の気配に寄ってくることはありません。成体まで野生で生きてきたわけですから仕方ないですね。でも、ケージ内を不安げに動き回ることはなくなりましたし、拒食もしません。アオダイショウはけっこう知能が高いとも聞きますから、気長に馴れさせてゆこうと思います。


 ↑ バター&ラベンダーのペアが“ゆり”と判明し、バター&ブラッドレッドを新たに同居させることにした。


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