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緑化促進のこと

2014/02/18


 人間は、建造物の製造や紙の製造のために森林を伐採してきました。樹木を切り倒すのにそれほど時間はかかりませんが、樹木が育つには長い歳月がかかります。そのことを配慮して木を切らないと収支決済が合わなくなって森林はハゲ山になってしまいます。ハゲ山は地滑りや洪水の被害の原因になるそうです。また、大量の酸素を発生する密林の開発は大気の酸素含有量を減らしてしまうそうです。そもそも森林伐採は、てっとり早い生態系の破壊です。植生(植物の棲息状況)は生態系の基礎を構築するものですから、それを破壊すると様々な生き物が生きてゆけなくなります。
 人間は古来より木を伐採して来ました。斧でたたき、ノコで引いて巨木を倒し、細かく解体して家屋や様々な道具として利用してきました。また落ち葉や枝を集めて煮炊きや暖房のための燃料にもしてきました。木こりさんたちは、森を愛し木を慈しんで来ました。大むかしの木こりを森林の破壊者とののしった人はいないでしょう。ビーバーという動物も木を切り倒します。かなり大きな川を木犀のダムでせき止めて流れのゆるやかな水域を設け、そこに水中から出入りできる島状の巣を作ります。すごい建築技術ですね。でもビーバーが自然破壊の元凶であるという話しはあまり聞きません。
 人が手入れしない山では、マツタケが育たないそうです。人もかつては山と調和して生きていたわけです。それが林業が会社組織になり、森林伐採で大きなお金が動くようになってから、木々の成長を伐採が圧倒してしまい、そこら中にハゲ山が出現するようになったみたいですね。

 緑化促進とは、人間が破壊した森林の復元に取り組む運動です。伐採を自粛して植林を推進し、ハゲ山を元に戻そうというわけです。そんなことが可能なのでしょうか。植林は可能でしょうが、経済を担う伐採を自粛するなんてできるのでしょうか。再生紙の活用によって伐採を減らせるのでしょうか。食料資源は、経済効果を上げるために過剰に浪費され、多くの資源が人や家畜の栄養になることなく生ゴミになりますが、樹木の伐採もじつはそんな感じだったのでしょうか。多くの樹木がお金を捻出するために粗大ゴミと化していたのであって、誰かが金儲けを少し我慢すれば伐採を自粛できるというものだったのでしょうか。
 緑化促進という言葉が世に知れ渡るようになってから、失われた緑は回復したのでしょうか。大気中の酸素量は確保できたのでしょうか。
 緑化はまた、都会化が進んだ場所にも緑を増やそうという試みを含みます。山だけでなく町の中にも緑を増やそうというのです。いいことですね。町ももともとは草木が繁る林や野原だったわけで、都会の緑化はハゲ山の復元に通じるものがあります。

 ところで、もともと砂漠だったところにも緑を増やそうという緑化促進もあるそうです。作物も育たない荒廃した乾燥地にですね、エアコンをたくさん並べ、夜間に発生する空気中の水分(夜露)を鳩首して大地に注ぎます。それが逃げてゆかないように、紙おむつなんかで使われる特殊なジェルで保湿して、土壌の水分を維持することで、荒れ地に土が蘇り作物が育つようになったどうです。すごいアイディアと技術ですね。これがもっと大規模になれば、砂漠を森林に変えるようなことも実現するのでしょうか。熱帯雨林を構築するには大量の雨量が必要ですから、砂漠がジャングルになるまでの革新は起こらないのでしょう。
 ところが近年、砂丘で観光地になっているところに緑が増えてきて困っているということを聞いたことがあります。緑が増えて困るっていうのもまたすごいですね。
 もうずいぶん古い話しですが、火星の極地方に寒冷地でも棲息できる苔類を植えれば、苔の濃い色が熱を吸収しやがてそこにある氷を溶かし、火星を水の惑星に変えるという構想を本で読んだことがあります。白い氷よりも濃い色の方が熱吸収性に優れているのでしょうが、火星の両極の氷を溶かして地球規模の水域を作るなんてことが可能なのでしょうか。それなら火星の極地方に水爆でも投下した方が早い気がしますが。
 砂漠の緑化が進むと、植生の色で熱吸収がよくなり、その地方の気温は上昇するのでしょうか。ただでさえ灼熱の砂漠がさらに高温になるなんてひどい話しです。こうなると緑化の弊害です。しかしながら、樹木が育つとたくさん木陰ができ、日の当たらないところに風も通ってむしろ快適な気候になるのではないでしょうか。炭酸ガスが減って酸素も増えますし。そう言えば、先の火星の話しですが、苔が繁茂するまでの苔のための水分と空気はどうするんですかね。
 人が開発しない天然の砂漠を緑化することは、果たして自然環境にとって良いことなのでしょうか。ふとそんなことを考えてしまいました。だって地球の陸地すべてを緑にするわけにもゆかないし、アフリカの砂漠の緑化に成功したら、シベリアのツンドラも緑化しないと不公平だってことになりませんかね。緑がどんどん増えて温室効果の原因になっている炭酸ガスが減ったら、地球の温暖化は改善されるのでしょうか。火星テラフォーミング計画では植生の発達によって極地方の氷を溶かすほどの温暖化を計ろうというのに、地球の砂漠の緑化は温暖化を防ぐのでしょうか。植物というものは魔法のシステムですから、火星には丁度良い温暖化をもたらし、地球では温暖化の解消をもたらすってこともあるのかも知れませんね。
 で、砂漠の緑化なのですが、緑化ということで聞こえは良いですが、自然の砂漠を人為的に消滅させるわけですから、それはそれで自然破壊にはなりませんか。砂漠が緑地になれば、筆者の大好きなサソリたちやトゲオアガマが棲めなくなりますし、ラクダだって不機嫌になるでしょう。別項で希少生物の保護の話しをしましたが、環境の変化はまた新たな絶滅危惧生物を生じさせることにもなりますしね。
 ただ、森林の伐採とちがって砂漠の緑化は単純な破壊行為ではないので、いろいろ失敗したとしても学ぶことは多いと思います。その中で自然の仕組みの解明がまた一歩前進するかも知れませんし。
 とりあえず人間というものは、何もしないでは気が済まない存在ですしね。

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