ニシキオオワラジムシ2
2019/03/17
去年の暮れから飼い始めた大型のワラジムシですが、飼育繁殖ともたいへん良好です。ここらでちょっと、飼育セットの説明です。他の等脚類の項でも同じようなこと記述しますが、ご容赦ください。1月早々あたりから用いている飼育環境です。
大型のプラケースに昆虫マットを敷きます。以前にマイマイカブリを飼っていた時の使い古しのマットで、ミズゴケが少々混在しています。経費節減のためにリサイクルで使ってますが、あまりお勧めしません。
昆虫マットに充分加水し、その上に新鮮な腐葉土を敷きます。腐葉土は無農薬であることを必ず確認して入手します。山から採ってきたものは過熱してから使います。その上に虫たちの足場となる朽ち木や樹皮を置きます。
試しに入れてみた木炭ですが、本種や同居中のモンテネグロダンゴムシにはまったく無害で、木炭の上にも群れていたりします。
木片の上を歩き回っているところ。よく動き回る虫です。
クマワラジムシの場合もそうですが、飼育環境内の個体数が多くなると、日中でも動き回ることが多いようです。
充分に成長した成虫はひじょうに鮮やかです。
指との比較。本種がおそらくワラジムシの最大種ではないでしょうか。
飼育難易度は高いという人もいますが、そうでもない気がします。同時に飼育中の多種と比べても生育状況は悪くありません。与えたエサもよく食べます。
1月下旬頃から、小さな幼虫をチラホラ見かけるようになりました。
幼虫のズームアップ。生後間もない個体は、多種のベビーと変わらぬ外見です。
少し成長した幼虫では、各節の外縁部の翼状の突出が目立ってきます。
さらに成長すると、各節の中央部が色づき、エッジの白が目立つようになります。
2月になると、幼虫の数も増え、成長した幼虫の姿が目立つようになりました。
成虫たちと一緒に朽ち木上を歩き回る幼虫たち。どんどん増えています。
地味な幼虫と比べると、成虫はやはり美しいですね。穴の中に幼虫がいます。
樹皮の裏側に幼虫だけが群れています。加令状態も似たような幼虫たちです。
別の朽ち木でも同じような状況が。ケージ内で繁殖が進むとよく目にする光景です。
上から、生後間もない幼虫、大きくなった幼虫、成虫。ケージ内では亜社会性のような状況が観察できます。様々な捕食者の標的となる等脚類ですが、幼虫たちも同種の成虫には警戒せずに近づきます。
ということで、飼育がやや難しいとも言われている本種ですが、筆者の見たところではそうでもないように思います。丈夫で飼いやすく、繁殖も難しくない虫だと思います。
現在は、増えすぎることを心配するほどたくさんの幼虫がいます。