キルギスオオワラジムシ5
2019/03/23
等脚類の飼育の成功の秘訣は、適切な飼育環境を維持することはもちろんですが、それはそれほど難しくはありません。それともう1つ、裏技的ですが最初からたくさんの個体数を確保すると成果が期待できます。
ワラジムシの亜社会性あるいは集団生活についてはあまり聞いたことがありませんし、野生状態でそのような状況を観察することもありませんが、同じ場所で複数頭を見つけることや朽ち木等に群れていたりすることはあります。
飼育下では同じうような場所にたくさん糞を残します。糞が増えれば彼らの生育状態も良好になります。ワラジムシの糞は、かなり長期間経っても腐敗したりカビたりしないようです。
亜社会性が認められているオオゴキブリの暮らしにも糞は重要な役割を果たしているようですが、等脚類にも同様のことが言えるのではないでしょうか。
ドッグフードの食べ残し。一般的な虫の飼育では、食べ残しはカビの原因になりますが、等脚類の場合、食べ残しはなかなかカビません。ただし、エサ皿から引っ張り出されたものは、腐葉土の湿度によってカビてしまいますが。
抜け殻です。個体数が多くても抜け殻を見かけることは多くありません。彼らはおそらくこれを食べてしまうのでしょう。
等脚類をの飼育では、加水した腐葉土の上に朽ち木等を置くという、カビの原因を作っているような環境を仕立てますが、彼らが暮らしている場所ではカビの発生が抑えられます。まれにカビが発生することはありますが、放っておいても広がりません。
どのようなメカニズム化は存じませんが、等脚類には防カビ能力があります。そしてこれは集団でより大きな成果を発揮します。
繁殖が始まりました。繁殖を成功させるのにも、多くの個体数を飼育することが有利になります。
等脚類の幼虫は親の糞を食べて消化を助けるバクテリアを受け継ぐということがあるのでしょうか。クワガタの幼虫のように固い朽ち木をバリバリ食べるわけじゃないし、有用バクテリアの受け渡しなんて不用と思われるかもしれませんが、彼らは腐葉土以外にも生野菜や煮干しなども食べることができます。
ということで、等脚類をケージにたくさん入れることは理想的な飼育環境を整える早道であると思われます。ただし、増えすぎて過密になった場合は、エサである腐葉土の劣化が急速に進み、増えすぎた糞も有害になるかもしれません。そのような状況で等脚類が飼育下で大量死することも少なくないようです。増えすぎて過密になった場合は、小分けしたり、腐葉土を交換してやったりといったメンテナンスが重要ですね。