マミジロハエトリ
2019/06/17
マミジロハエトリのオスですね。ハエトリグモも本種くらい判りやすい虫ばかりだと楽なんですけど、現実には種の同定が困難なものがあまりにも多い。でも、そんな話しをしてもキリがないので、今日は別の話しをします。
虫に感情があると思いますか? あったら恐ろしいですよね。しかしながら多くの飼育者が飼っている虫に感情があるような錯覚を覚えていることでしょう。思うに、不思議なのは人間の方で、ヒトというものは身近なものに感情を吹き込む能力があるようなのです。あたかも人形師が人形に魂を吹き込むごとく。
虫ではあまり経験することはありませんが、爬虫類や両生類、魚類といった脊椎動物は、哺乳動物と同じような感情的行動を見せることがあります。野生では孤独に生きているヘビやトカゲが人間になついたりします。熟練の飼育者にとっては当たり前のことでも、これはかなり非科学的なことです。
先日、山歩きをしていたときのこと、写真のハエトリグモに出会ったのですが、彼がひじょうに好奇心旺盛で、筆者が指を近づけると興味深げにその動きを追いかけるのです。それは獲物に示す好奇心とはまた少し異なる行動でした。しばらくそうやって遊んだあと、彼は何事もなかったかのように去ってゆきました。
飼育動物のみならず、野生の虫が妙に人なつっこかったりすることがまれにありますよね。あれはなんなのでしょう。不思議です。