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進化の能動性

 むかし読んだ専門書によると、生物の進化は偶発的な突然変移の積み重ねに支えられているということでした。遺伝子が親から子へ受け継がれるとき、遺伝情報は極めて忠実にコピーされるのですが、まれにエラーが生じ、それが突然変移という形で形質に現れ、その多くはいわゆる奇形で、環境の適応に不利になるので絶えてしまうのですが、まれに親より環境への適応に有利な奇形が生じると、その子は生きながらえて自分の遺伝情報を子孫に残し、その生物は一歩進化するというわけです。
 なんだか納得できない考え方でした。たまたま親より優位な奇形が生まれて来るなんて、どんな幸運なんだ? そんな偶然性が進化のメカニズムのすべてなんだろうか。進化にはひじょうに長い時間と多くの世代交代が必要ですが、だからと言って、偶然生じる幸運なエラーすなわち親より優位な突然変移の積み重ねだけで、上手く進化することができるのだろうか。進化に必要な時間はたっぷり用意されているとは言え、無限に時間があるわけではりません。
 生物の進化と絶対に切り離せない条件に、環境への適応があります。そして地球上の環境は変化し続けます。その変化に適応できなければ、進化が上手くゆかないばかりか、種の存続の危機ということになってしまいます。
 環境に適応するうえで、優位に立てるような突然変移がどれだけ生じるか、それを考えると進化を突然変移にゆだねていて良いのか? 生物は進化するということをもっと能動的に積極的に考えて行かねばならないんじゃないか、そんなふうに思うわけです。
 ヒトはここ数十年の間だけでもずいぶん変わった……より若々しくなり、男性の女性化が進んだ……なんてことを前項で述べましたが、あれもどこかで発生した突然変移が、世界規模で波及した結果なのでしょうか? それとも、進化(遺伝子レベルの変化)など全く進んでいなくて、食生活や諸々の生活条件の変化に一時的に適応しているだけなのでしょうか。これが一時的な適応であって進化と定義できるものではないとしても、この変化が進化につながることは決して"ない"のでしょうか。
 生物が偶発的な変異に身をゆだねているだけではなく、もっと積極的に環境への適応ということを常に考えていて、そのことが進化の原動力になっていることの可能性について、これから考えて行きたいと思います。

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