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悪意の報道

2014/03/11


 マスコミというのは、マスコミュニケーションのことですが、そもそもそれってコミュニケーションでも何でもないような気がします。世の中を経済本意あるいは政治本意に回すための情報操作をするのがマスコミの役割のように、筆者には思えます。そしてこの思いは多くの一般大衆の感慨と遠からぬものではないかと思っています。マスコミの報道は、確かに真実を伝えています。でも政府にとって不都合なことは伝えなかったり、脚色が行なわれたり、あるいは経済的な有利性を配慮した演出や表現がなされたりしがちでしょう。
 筆者の周りの人たちも、その多くがマスコミは汚いとか、ウソの報道が多いとかよくおっしゃいます。マスコミが世の中を腐敗させる元凶なのという過激な発言もしばしば耳にします。マスコミというと、新聞社や雑誌社が刊行する出版物、あるいはテレビ局のニュース報道、ラジオの報道、今ではネット上に配信されるニュースなどですが、それらがウソで満ちあふれているとしたら、世の中はわやくちゃです。意外かもしれませんが筆者はマスコミの報道や他聞を信じ込みやすい方です。びっくりニュースとか、そんなわけあるかと、最初から疑ってかかっていては面白くもなんともないじゃないですか。信じてだまされることも少なくありませんが、とりあえずは事実として聞いてみることから始めます。あとでウソだと判っても、大きな被害を被ることもあまりないですし。
 事故や事件の報道の多くは真実です。真実を直球で伝えすぎて弊害が生じることもあるくらいです。たとえばインタビューされる側が何気なくもらした失言を、重要な発言として報道されてしまったりとか。
 マスコミは世間の常識や流行を担う重要な役割を担ってると言えます。新聞に間違った表現が繰り返し記載されれば、それが正しい表現として世間に認知されてしまうことにもなりかねません。最近はインターネットという迅速な発信手段があるので、誤りが常識になる前に正されることも少なくありませんが。
 マスコミは、そのほとんどが営利企業によって運営されています。報道の自由が保証されており、報道される側が実害を被らない限りなんでも報道してしまいます。他社より先んじて新鮮な情報を発信した方が大きな儲けにつながります。ところが、今はネットにアクセスできる端末を誰もが持っている時代なので、新鮮なネタの価値がどんどん下がりつつあります。マスコミ各社も大変です。
 マスコミが営利企業によって運営されている限り、報道媒体がより大きな儲けにつながらなくてはなりません。同じ事実を伝えるにしても、売れる内容にしなければ商品としての価値が下がってしまいます。同じ事件報道でも多くの人々の興味を引く表現をしなければならない、それがマスコミ人の本音でしょう。

 ゴシップやスキャンダルが好きです。他人の不幸は蜜の味とも言われるほどです。でも、過ぎたるは及ばざるがごとしで、過大なゴシップ(興味本位の風聞)やスキャンダル(醜聞)にはうんざりしてしまいます。マスコミが社会の腐敗の元凶とまで言われる理由が、おそらくそこにあります。
 たとえばニュースで少年による殺人事件が報道されたとします。それは信頼に値する真実の報道です。それすらも大衆の興味をそそるためのウソだとしたら、マスコミ報道の商品価値は逆に低落してしまいます。イソップの「狼と羊飼い」のように真実さえも信じてもらえなくなりますから。少年による殺人事件は実際に発生した真実なのですが、それを表現するにあたり、マスコミのよこしまな脚色が入ります。すなわち犯人である少年を過大に悪者にして大衆の心理を揺さぶり関心を引きつけるという操作がなされるわけです。少年は口論から逆上して思わず刃物をつかんでしまったのかもしれないのに、刃物を手にし致命的な傷を負わせるというひじょうに残忍な手口で惨殺したという脚色がなされます。少年は刃物で威嚇し、相手をひるませようとしただけかもしれません、あるいは刃物でも持たなければ勝ち目のない相手だったのかもしれません。刃物を持つほどの情念を示すことによって相手が攻撃の手をゆるめてくれれば事件になどならなかったのかもしれません。それが間が悪いことに、相手がいっそう怒り狂ってしまい、恐怖に駆られて刃物を振り回したところたまたま相手の急所にそれが命中してしまったのかもしれないのです。マスコミは情報に商品価値を上乗せするために、単に刃物による暴力があり、そのことが致命傷になって被害者が死に至ったとは記述せず、ひじょうに残忍な手口で殺害したと表現するわけです。
 これだけではまだ商品価値が低いと考えるマスコミは、最近の少年犯罪というデータを引っ張りだしてきて、ここ数年間にこれだけ数多くの少年による惨殺事件が発生している、などと報じ、その深刻さを訴え、少年犯罪の低年齢化、武器を携帯する少年の増加といったことにまで言及します。少年犯罪の背景に何があるのか、戦争と無縁な環境に育ったための平和ボケか、アニメやゲームの過激な暴力シーンの影響か、といったもっともらしい原因究明を列挙し、大衆の興味をそそろうとします。
 少年の武器の携行が増加したというのは、過激なマスコミ報道のせいかも知れません。少年犯罪が増加したというのは、犯罪の報道件数が増えたということかも知れません。いずれにせよ、社会の大多数の少年は健全な生活を送っています。筆者の家のご近所にもたくさんの少年少女が住んでいますが、時代と共に彼らの風紀が乱れたといった様子は伺えません。筆者の目や耳に届くのは、少年少女による流行語の話題や、独自のファッション、あるいはボランティア活動といった健全で建設的なことがらばかりです。ところがそうした健全な少年少女はマスコミには用がありません。商品価値がないのです。異例中の異例を見つけ出し、それが犯罪といった衝撃を伴うならば、これはもう恰好の商品であり、それにどんどん脚色を加えて行きます。少年犯罪が異例中の異例であるにも関わらず、「少年による犯罪はここまで来た」とか「最近の少年たちの犯罪事情」といった、少年イコール悪のような脚色を行なって大衆の興味を引こうとするわけです。
 大多数の少年たちが、夢と希望を持って頑張っているのに、それには触れずに、少年犯罪の恐ろしさ残酷さといったことをPRし続けます。それを大衆が単なるネタとして一笑にふしてくれれば良いのですが、いい年をした大人たちが「最近の少年は恐ろしい」とか「何を考えてるのか解らん」とか、どこで聞き知ったかしりませんが「平和ボケ社会がだめなんだ、戦時中にはこんなバカはいなかった」なんていうセリフを口にするのを見ると、ぞっとします。いい年をした大人たちが、分別というものも知らず、マスコミ報道を真に受け、のうのうと少年たちの悪口を言うのには本当に腹が立ちます。異例中の異例の少年殺人を引き合いに平和社会を批判し、戦争による国を挙げての大量殺戮の時代の方が良かったなどと、正気の人間の言う言葉とは思えません。
 揚げ足取りじゃないですが、ごくわずかな悪例を引き合いに、少年たち全体を罵倒する愚かな大人たちの存在が嘆かわしいです。そんな無能で無責任な大人たちの少年たちに対する批判を許している社会が情けないです。
 ニュースキャスターは、まるで正義漢のように紳士的な動作で、最近の少年犯罪事情などといった言葉を吐きますが、筆者にはそれが下品で俗悪な愚行にしか見えません。紳士づらの裏に醜くいやらしい興味本位の欲望が見えます。これは筆者の個人的な感想であり、ニュースキャスターの方にしてみれば心外でしょう。彼らは真面目に報道しているのでしょう。しかしながら真面目に報道したからといって、その悪影響に変りはなく、その言い分とは裏腹に大多数の少年少女が健全に暮らしているのです。そして無責任な報道が、分別のない愚かな大人たちのオツムを汚染し、少年少女たちに偏見という迷惑をかけているのです。

 大衆というものは、マスコミが考えるように、他人の不幸にしか興味がないのでしょうか。少年少女たちが社会貢献したり、地味な努力を重ねることに興味がないのでしょうか。そうした人間の健全な姿こそがカッコイイ、取り立ててヒーロー扱いすべきだ、という発想にはならないのでしょうか。当たり前のことを当たり前にできる、そこにも感動はあります。別項でも述べましたが、社会の大多数の人々が、良識を持っているおかげで、駅の自動改札やスーパーマーケットのセルフサービスが成り立っているわけで、こんなに大勢の人間がいる中で、少々の悪さは見つからないのに、大多数の人々にはそれを善しとしないプライドがあります。その当たり前が大きな大きな力となって社会が成り立っている、それって感動的じゃないですか?
 少し前の話しですが、ネット上の報道で、外国人が、日本人が交通信号を守ること、落とし物をきちんと交番に届けることに驚いているという記事を目にしました。これはクソ真面目な日本人を愚弄する報道だったのでしょうか。筆者には称賛の記事に思えたのですが。あるいはマスコミの常識からすると、こんなことは直ちに改め、信号は無視し、落とし物は着服するべきなんですかね。だって、日本人が善意に満ちていたら、そのうち悪意の報道に目を向けなくなるかもしれませんよ。

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