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リュウノヒゲ

2014/03/19


 濃い緑色の細葉が年がら年中茂っているいつ見ても代わり映えのしない大変地味な植物です。芝生のように地を這っていて、草丈は数センチていどです。筆者としてはこれまであまり馴染みがなかったのですが、現在の家に越してきた際に、駐車場スペースに植え込んでありました。駐車場の水はけのために周囲が土になっていて砂利が敷いてありそこに列を成してこいつが植えてあったのです。
 特段に気を引く植物でもありませんでした。芝草のように勇猛果敢にドコドコ増えて行くこともなく、いつ見ても同じように列をなしています。冬でも枯れることなく緑を保っているところが、えらいな、と思っていました。踏んづけられたり、タンポポやカタバミに侵略されても動じることなく頑張っています。



 クサスギカズラ科というあまり聞き慣れない分類に入っています。草なのか杉なのか葛なのか、この科名をつけた人って、けっこうおちゃめですよね。まるで造花のように(と言ったら失礼な気もしますが)年中変わらない姿を保っているところがこの植物の利点でして、ほとんど手入れをしなくても長期間綺麗な縁取りのやくめを保っています。と言っても生きているので、枯れたり列を乱したりってことが皆無というわけではないですが。うちでは家の北側の比較的日陰で元気にしておりますが、ご近所のお宅ではガンガン日が当たるところでやはり健康な姿を保っています。
 リュウノヒゲの名は、某架空動物のヒゲに似ているということに由来するそうで、別名をジャノヒゲとも言います。ある記述に、竜は架空の生き物だから、ジャつまりヘビのヒゲを意味する後者の方が名前としては適切だとありました。たくさんヘビを飼っている筆者からすると、ヘビのヒゲなんてものの方がファンタジーなんですけどね。ヒゲらしいものを持つヘビと言ったらミズヘビの1種くらいしか思いつかないし。



 ところで、この地味でまるで造花のように(と言ったら失礼な気もしますが)変化に乏しいこの植物にも、ごくたまに変化が訪れます。小さな小さな白い花をつけることがあるのです。なんかゴミでもついてるのかと思ってよく見ると花でした、くらいのものですが。そしてそれが終わってしばらくすると、青い美しい実がなります。たいへん色鮮やかなまん丸の粒は、かなり目立つもので、ずいぶん長期間その形をとどめています。
 今年は久しぶりに実がなり、冬の間鮮やかに輝いていました。虫や獣が活動しない季節に、目立たないところで実を維持し続けるという生態も、けっこう変わり者です。でも、普段は地味で変化もなく目立たない下草が、こうしてごくたまに慎ましいオシャレをして、生きてるぞって主張しているさまは、たいへん愛らしいです。

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