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アブラゼミ9

2019/08/17


 ある虫にはまったく興味のない知人が、クマゼミの勢力拡大によりアブラゼミがいなくなったと語っていました。自然観察もろくにせず、むかしはあまり聞かなかったクマゼミの声の増加だけを根拠にそういうことを言っているのでしょうが、たとえそれが素人の適当な洞察であったとしても、筆者だってド素人です、その意見をはなっから無視してかかるわけにもゆきません。
 実際、どうなのでしょう。確かに筆者が過ごしてきた近畿圏や北陸地方ではむかしはクマゼミが少なく、今はひじょうに目立つようになりました。そのことがアブラゼミの生存を脅かしているのでしょうか。

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 当ブログでも再三述べて来ましたが、同じ林でクマゼミとアブラゼミが生息している状況では、午前中にクマゼミが啼き、午後からアブラゼミが啼くという時間帯ごとの棲み分けが見られます。むかしはアブラゼミは朝っぱらから啼いていました。

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 子供の頃の記憶ではありますが、むかしクマゼミの生息域が限定的だった頃は、学校が終わった放課後もクマゼミの声が聞かれたと思います。つまり筆者の暮らしていたところでは、かつてはエリアごとに棲み分けていた両者が、現在は同じエリアで時間ごとに棲み分けるようになった、ということです。

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 筆者の生活圏でクマゼミの個体数は大幅に拡大したことはまちがいありませんが、そのことがアブラゼミを衰退させたようには思えません。アブラゼミの棲む場所が限定的になってしまったということは感じられません。

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 メスですね。もう産卵は終えたのでしょう。ちゃんと子孫を未来につなぐ役目を果たしたわけです。彼らはこれからも繁栄してゆくことでしょう。

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 単純な数学的考察では、クマゼミが増えた分だけアブラムシが減ったと考えてもよさそうですが、気候の変化や人の進出によって林の様子も変わってきていますから、同じ林が両者を受け入れ、両者を共存させることで安定的な生態系を新たに構築した、筆者はそのように考えています。同じエリアに多くの種類を抱え込むことは、それだけ変化に対する緩衝力が強くなりますから。
 ちなみに一回り小型のニイニイゼミは梅雨の時期に、ツクツクボウシは夏の後半からと、時期的な棲み分けをしています。ミンミンゼミは筆者の生活圏では傾斜地に暮らしています。

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