キアゲハ
2019/08/23
成虫はアゲハとよく似たチョウですが、終令幼虫がたいへん個性的な虫です。子供の頃に野原で出会った時の衝撃は今もよく覚えています。その終令幼虫が見たくて入手したのですが、飼育は失敗に終わりました。まことに残念な失敗談を記載するのも虚しいのですが、成功をひけらかすだけが能じゃないし、あえて恥をさらしておきます。
チョウの入手ではしばしばお世話になっている権威の方に卵を分けてもらいました。左の卵は孵化直前です。
もう孵りそうですよ。時間があれば孵化の様子を見守りたいところですが、あたしゃそんなに暇じゃありません。
孵化直後の幼虫。じつは郵送中にすでに孵化が始まっており、筆者の手元に届いたときにはかなりの数の幼虫がいました。そしてこのことがそもそもの敗因となりました。
卵殻を食べているところです。チョウの幼虫ではよく見られる生態ですね。この行動にはどんな意味があるのでしょう。
すでに葉を食べ始めている幼虫と、孵化直前の卵。
孵化直後の幼虫は明るい色合いをしていて、頭部の黒色が目立ちます。
どんどん生まれてきますよ。
自分の卵殻を食べている幼虫と、孵化して時間が経っている幼虫。卵殻を横取りしようというのでしょうか。
この子はいち早く孵化し、すでにかなり葉を食べています。
孵化から1日ていどの初令幼虫。
エサとして市販のパセリを与えました。卵や幼虫がくっついていたのはセリの葉のようです。
茎は水に差して置きます。当然です。
2日後、セリの葉ばかり食べて、パセリには手を付けていません。2日でかなり大きく育っています。セリの葉はすでに干からびているのに、新鮮なパセリは食べたくないようです。
パセリはキアゲハの食草として有効なのですが、1度セリを食べ始めるとそれしか食べないのでしょうか。チョウの幼虫には途中で食草を切り替えても大丈夫なものとそうでないものがおり、本種は後者のようです。
4日後、幼虫たちは頑なにパセリを口にせず、死滅しました。パセリに農薬が付着していたということも考えたのですが、パセリを確認したところでは食痕が見つかりませんでした。
筆者にもっと時間的余裕があればセリの葉を入手できたのですが。あるいは孵化がもっと遅くて孵化直後の幼虫をパセリに移すことができれば飼育は成功したかもしれませんね。
あの美しい終令幼虫を見たかったのですが。次回にチャレンジ、です。