タンポポ
2014/04/01
タンポポはとっても身近な野草のひとつですが、筆者の住んでいる山間になるとそれはもう大変な数のタンポポがそこかしこに生えております。地面にはいつくばっている小さな小さな株から、小松菜かよ、と思うほどご立派な葉を茂らせた株まで様々です。
花も様々でして、形状はだいたい同じですが、花茎の長短に驚くほどの差があります。野原の肥沃な土地で、大きな葉を茂らせる株からは、長い長い花茎が伸長し、その上に大きな花が咲きますが、道端や日陰にひっそりと小さな葉を広げるものは、花茎が短くて低い位置で開花します。
上の写真は歩道のアスファルトと縁石のすき間に生えているタンポポです。日当たりが良い場所なので、葉も青々と肉厚な感じです。タンポポは草丈は低いですが根がひじょうに長く伸びるそうです。こんな干からびた歩道に生えていても、根っこはしっかり肥沃な土壌に届いているのでしょう。
数メートル離れたところの株は、もう花をつけていました。おや? 葉の形がちがいますね。では先の写真はタンポポじゃないのでしょうか。
うちの家の北側の日陰に生えているタンポポです。とても小さいです。
これもタンポポですよ。寒い冬の間中こんな姿をしていました。葉の数は多いのですが、どれも痩せてギスギスしています。寒い日陰を表現しているように見えるのですが。
痩せギスのタンポポは、よく見ると中央部にツボミがあります。これって花のツボミですよね、たぶん。そのうち咲きますよね。
また少し葉の様子がちがうヤツが生えてますよ。残念ながらこれはタンポポではありません。タンポポと並んでうちの敷地の常連であるオニタビラコです。タンポポと同じキク科でやはり黄色い花を咲かせますが、ひょろ長く身長する花茎には複数の花が付き、こうなるとタンポポとのちがいは一目瞭然です。
上の写真は数年前に、近くの公園で撮ったものです。いろんな下草と渾然となって生えています。花茎は短く、低い位置で花を咲かせています。
日本に咲くタンポポには、在来種と明治になって入ってきたセイヨウタンポポが有名で、タンポポについて書かれた記述でも、この2つについて説明されていることが多いですね。現在は繁殖力旺盛で春夏を問わず開花するセイヨウタンポポが主流になっているとも。
セイヨウタンポポの特徴としては、花弁を支える額の外下にある外総苞片といわれるものがツボミの頃から下方に反転しています。上の写真でツボミを探すとそれが判ると思います。
春は在来種の開花時期ですから、近くの山を歩き回って探してやろうかなんて思わないでもないのですが、じつは在来種にもカントウタンポポ、カンサイタンポポ、シロバナタンポポ、トウカイタンポポ、エゾタンポポといろいろあるそうです。同様に外来種にもセイヨウタンポポ、アカミタンポポなんてのがあって、筆者の知らないところでタンポポは大きな軍勢を成していたようです。
そしてさらには、交雑種も確認されていると言いますから、もう何が何やら解らなくなり、「タンポポって何者!?」と叫びたくなりました。筆者のような無知無学者の手に負えるほどタンポポはなまやさしいものではなかったようです。……そのうち1枚目の写真はタンポポじゃねぇし、なんてコメントが来そうで怖いです。