マツヘリカメムシ
2019/11/15
先日、家の中に飛んできたやや大きめのカメムシです。存じ上げない方だったので、ツイッターで尋ね人(虫)をしたところ、本種の名称を教えていただきました。どうやら外来種のようです。

パッと見茶色のカメムシですが、写真で見るとなかなか美彩です。後肢がひじょうに長大で脛部にオールのようなふくらみがあります。

ネットで調べてみますと、松の害虫で種子や新芽から吸汁するそうです。種子から汁なんて得られるのでしょうか。でもアオカメムシの仲間はナッツ類で飼育できるとウィキペディアにも書いてありましたし。

もともと北米西部に住んでいたようですが、20世紀になって東部にも分布を拡げ、20世紀末にイタリアからヨーロッパ各地に拡がったそうです。それまで西部でおとなしくしていたということは、交通手段が発展し、人の往来が長距離に及ぶようになったからでしょう。つまり人による物流が分布拡大を促したわけです。

日本へは新世紀になってから入ってきており、2008年に都心部複数個所で発見されているとありました。筆者の家は兵庫県ですから、関西圏にもすでに拡大しているということで、場合によっては日本各地に拡がっている可能性もあると思われます。
最近のキマダラカメムシの増加で、温暖化による生き物の北上に関心が及んでおりましたが、本種は東京から上陸し南下してきたようですね。ツイッターでは植物への被害を懸念する声も聞かれましたが、外来種を目の敵にしている方たちの標的になり、そのことが生態系のダメージにならないことを願いたいです。
在来種保護の観点からの外来種駆除は、ともすれば生態系全体にとってはダメージにもなりかねないので、駆除という生き物への攻撃には充分な注意が必要です。