アストロフィツム
2020/05/25
メキシコからテキサス州にかけて分布するサボテンの一種です。そもそもサボテンの仲間の多くがこの地方に分布しているわけですけど。日本で見られるものはもちろん輸入された園芸植物であるわけですが、園芸業界では生物学的な分類は重視されず、園芸品種名で呼称されることがほとんどなので、筆者のように生物としての種名あるいは属名を知りたい者にとっては、ネット上あるいは書籍上の情報はそのほとんどが園芸植物としてのものなので、ひじょうに苦戦を強いられます。また、園芸品種はしばしば異種交配が行なわれますから、種の同定という考え方自体がナンセンスなものになって来ます。
アストロフィツムは属名です。ウィキペディアによると同属には、6種が含まれ、日本での流通名は、
兜丸(かぶとまる)、
瑞鳳玉(ずいほうぎょく)、
白鸞鳳玉(しろらんぽうぎょく)、
鸞鳳玉(らんぽうぎょく)、
般若(はんにゃ)、
群鳳玉(ぐんぽうぎょく)
となるそうです。これらは情報によって名前があれこれ変わりますし、交配品種になるとさらにいろんな名前がつきます。もはや元の生物が何なのか、それを考えること自体が愚考です。
紅葉ヘキランという名称で入手しました。親指ほどのサイズの可愛らしい苗です。和菓子みたいでしょ? とっても可愛いのです。ヘキランって何? と疑問を持っても答えは返って来ません。ヘキランはヘキランです。
あれこれ調べると、鸞鳳玉の1品種であるようです。鸞鳳玉はサボテン独特の棘が退化しています。ショップの方でもこれはサボテンというより多肉植物だよ、そんなことを言う方もいるほど。
何しろ初めて見る植物なので、あれこれ手探りで育てるしかないのですが、どうも夏場の直射日光は苦手なようですから、冬型植物のコノフィツムのプランターに植えておくことにしました。
ランポーです。ヘキラとともに鸞鳳玉の一種ですね。そこそこ育ったずっしりとした大きな苗です。
同じ鸞鳳玉でもヘキランとちがって強い日差しを好むようなので、サボテンのプランターを仕立ててそこに植えました。
てっぺんから見たところ。4陵構造になっています。ツボミらしものがありますよ、花を期待しましょう。
全体的に粉を吹いたように見えるのは、小さな白毛束がたくさん並んでいるせいです。
サボテンの仲間はほんと個性的です。これまで目にしたことのない特徴に目をみはるばかりです。
こちらは兜丸です。兜、兜玉などとも呼ばれています。サボテン独特の棘の代わりに白い毛が生えて美しい模様を形成しています。
もう1株。ツボミが育っていますね。植えたばかりなので無事に花が咲くかどうか心配なところです。
ひじょうに白毛の被い株。おもしろいですね。
アストロフィツムは陵がきれいに放射状に並んでいるのが特徴です。ギリシャ語のアストロ(星)とフィツム(植物)を合成したのが名の由来で、日本では有星類とも呼ばれるそうです。
白くてふかふかの毛は哺乳動物のそれのようで、植物とは思えないほど。
アストロフィツムの仲間のうち、鸞鳳玉と兜丸を入手したわけですが、これだけでも様々な顔があり興味深いですね。種ごとに育て方も異なりますし、筆者はまだまだサボテンの極一部を目にしたに過ぎません。
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