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ニホンアマガエル

2014/05/01


 じつは筆者はカエルが苦手です。と言いつつこれまで17種ばかりのカエルの飼育経験があるのですが、きっぱり申してモリアオ君が素手で触れる限界です。トノサマガエルは弟と一緒にオタマから育ててことがあるのですが、とてもじゃないが触れません。あの腰骨がいけません。それより大きなものは絶対に無理です。ベルツノガエルなんか、可愛いSサイズが安価で市販されていますが、騙されてはいけません。やがてでっかくなります。
 水槽のガラス1枚隔ててくれれば平気なのですよ。でも、ケージのフタを開放し、彼と空気がつながったとたんに、局部麻酔をされたように手の感覚がなくなりまったく力が入りません。
 ヘビは平気なのにカエルがダメなんて動物好きの笑い物です。屈辱的です。でも仕方ないのですよ。幼少の頃にウシガエルに手を飲まれて以来、ジジィになった今に至るも呪いが解けないのです。
 その点アマガエルはいいです。可愛いうえに全然触れます。シュレーゲルでも大きなものだと、わずかな不安がありますが、アマガエルはまったくもって大丈夫です。この小さなカエルだけが呪いの及ばない天使です。

 以下は、今から10年前の記録です。


 山間の池でオタマをすくって来ました。本種は平地の都会化が進んだところでも見かけますが、オタマは都市の水域ではあまり見かけませんよね。都市のアマガエルはどこで繁殖しているんでしょうね。



 上の写真の2匹が、後脚が生え始めているのが判りますか? 上にいる子が少し判りやすいかもです。アマガエルのオタマはすぐに成長してしまいますよ。



 四肢が生えそろっても、立派な尻尾があるとまだ安心してしまいますが、こうなると上陸まで数日です。ケージのフタのすき間を点検して脱走に備えねばなりません。ご存じ、アマガエルは発達した吸盤でガラスでも平然と登りますから。



 はい、上陸しました。思うんですけど、飼育下では変態が早まるのでしょうか。自然界にいる方が長らくオタマでいてより大きなカエルになるとか。魚を飼っていらっしゃる方なら、水量と魚のサイズの関係を経験から熟知されているでしょう。溶存酸素量も重要です。大きな水槽でオゾン発生機など使用したならばバカでかい魚に育ちます。小さな水槽でこじんまり飼っていると大きくなりません。オタマにも同様の現象が出るのかもしれませんね。



 上陸したあとの生育を左右するのは餌づけです。餌づけが上手くゆかないとカエルは飼育の難しい動物になってしまいます。上手くゆくと丈夫で飼いやすい生き物です。
 オタマの頃、人を見ると寄ってきてバクバク餌を食べていたからと言って、カエルになっても人にベタ馴れというわけにはゆきません。ガラスを隔てて見る人影は、餌を放出する現象みたいなものですが、カエルの目で見る人間は匂いつき体温つきのリアルな存在です。
 餌づけの決めては、カエルの飼育環境への馴化です。観葉植物を入れてやると早く落ち着くとよく言われますが、そうかもしれません。そしてその環境に人が訪れることがカエルにとって当たり前になれば、飼育者の手から採餌するくらいに馴れてくれます。



 本種は、けっこう人に馴れやすいカエルだと思います。餌食いも良好です。ひとつ上の写真ではミルワームを食べていますが、動きが鈍くて捕まえやすかろうと最初は与えていたのですが、あの硬い虫は餌としてあまり適当ではありません。できればコオロギやゴキブリの幼虫を与えましょう。市販のレッドローチ(ゴキブリ)は、ストックも容易だしカエルの生き餌として最適ですね。



 茶色の個体です。もとは緑色でしたが、あるとき茶色の気分になったようです。自然界では保護色効果が上がるような変色が可能なようですが、飼育下では茶色になるメリットはなかったのですが。茶色になると同時に斑紋が出現しますが、これはシュレーゲルアオガエルにはない特徴です。シュレーゲルは緑のまま明るい色になったり暗色になったりといった変異が多いですね。



 上の写真は、茶色というかグレーに青がのった感じですが、これも飼育中に現れた変異です。けっこう綺麗でした。



 これは……、灰色の体にわずかに緑が残っているという変異です。カエルの変色は色素細胞の拡縮によって起こりますが、それが体中で一様とは限らないようですね。



 まだら模様が顕著に現れているのに緑がたっぷり残っている状態です。アマガエルの変色といってもじつに様々で楽しめます。

 カエルは乾燥に弱いというイメージがあるため、ケージの中を水浸しにする方が多いようですが、その必要はありません。多湿の方が温度変化を抑制できて良いのですが、温度変化がカエルへのダメージに直接つながることは少ないようです。それよりも夏場の高温時の多湿によって蒸し焼きにする方がピンチです。水域やその付近に棲むカエル以外は、テラリウムでの飼育が適切です。本種やアオガエル等は、水場を離れて暮らす陸生動物です。乾いたケージに時々水をスプレーしてやるといった方法が良いと思います。
 ポトス等の葉の厚くて広い観葉植物をケージ内に入れる人も多いようですが、これは適度な湿度も維持できて理想的でしょう。
 筆者は優しくないので、観葉植物は使いませんけど。植物を用いるとその世話も必要になります。植物を枯らしてしまうと、カエルは安心感を失うことになります。筆者はしばしば模造の葉を使ったりしてました。湿度調節には小さなタッパーに加水したミズゴケを入れていました。
 繁殖を試みる場合は、ドライな環境で飼い、充分に気温が上がった5月半ば頃から急に湿度を上げてやったりすると良いかもしれません。漫然と多湿で飼っているより繁殖行動を促すきっかけになると思います。

 うちで育てているレッドローチが、この冬あたりから爆発的に増えました。数日ごとに世話する際にいつも生まれたての新生幼虫がウジャウジャしてます。今なら生き虫食いの動物の飼育に困らないので、久々にこの可愛いカエルでも飼ってみようかな、なんて思っています。野原につかまえにゆくのは面倒なので、ネットの海を探してみようかと……。


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