タンザニアグリーン&ピーチタイガーセンチピード
2014/05/11
アフリカは毒虫の宝庫です。とくにタンザニアは、サソリやオオムカデの名称でしばしば耳にします。本種もまたそのタンザニアンの1つですが、グリーン&ピーチなんて、名前に"&"が入るなんてどうしたらよいのでしょう。
オオムカデは、愛好家が多く、様々な種が輸入されるわりには意外と研究が進んでいない動物かもしれません。まだまだ新種が山ほどいると思われます。この名称も採集個体の見た目で名前を付けてペットトレードに乗ったのかもしれませんね。
ネット上を検索してみると、タンザニアグリーンオオムカデというのが何件かヒットしましたが、本種にそっくりでした。では、本種はタンザニアグリーンオオムカデのピーチ(桃色)が強い個体ということで……。
日本のトビズムカデやタイワンオオムカデも、体節の背面は緑色がかっています。本種はメラニン(黒色)色素が減退して明るい緑色になったという感じです。さらにこの個体は、虹色色素も減退して淡い緑色に見えます。体側の柔らかい部分は明るいピンク、肢は黄色です。
水を飲んでいます。獰猛なオオムカデもこんなしぐさはおちゃめです。頭と尾部は緑色が濃くなります。
体側のズームアップ。背面の硬質のクチクラとちがって、体側は膜質になり柔らかです。各節に1対ずつある肢は、腹面のクチクラから生えています。
これは、何をやっているのでしょう。水入れの縁に沿ってブリッジを試みています。多足類の仲間は腹面方向に体を曲げるのは得意ですが、写真のように背面方向に反り返るのはあまり目にしません。ムカデの仲間はヤスデ類よりは体が柔軟なようです。ヤスデよりもはるかに運動性に優れていますからね。
こうしていると体側のピンクがいっそう目立ちます。体側を見るとその個体が肥えているか痩せてしまっているかがよく判ります。
多足類の飼育では、乾燥への注意が必要です。かと言ってヤスデの飼育ほど多湿にするのも良くない気がします。ダニもわきやすくなりますし。多足類の飼育の秘訣は適切な湿度管理だと思われます。オオムカデの棲息状況を単純に目だけで見ていると、それほど湿度は必要としないように思われます。また、同じタンザニア産のサソリ類も乾燥への耐性は強いです。オオムカデの飼育でもどうしても乾燥ぎみの環境を設え、飲み水さえ欠かさなければ大丈夫と思いがちなるのですが、厚く土を敷いて保湿するなどの湿度管理が重要なようです。土中に穿孔する種はすくないですが、土なしで飼育することはできません。