タンザニアフラットロックスコーピオン
2014/05/13
アフリカ産のフラットロックスコーピオンには、多くの種類が存在し、日本にもかなりの種類が輸入されています。偏平な体に細くて華奢な尻尾をしていて、毒針はほとんど役に立ちそうにありません。ハサミはそこそこ大きく立派ですが、いまいち頼りなげです。歩く姿もぎこちなく、ちゃんと生き虫を捕食できるのか不安になります。
フラットロックスコーピオンは、岩場に棲むサソリです。偏平な体を利用して狭い隙間に入り込むのが得意です。飼育下でもその行動が可能な環境を設えてやれば、動きや姿勢も様になるかもしれませんね。
この仲間は、雌雄で尾の長さがかなりちがうので見分けやすいです。オスの方が明らかに長い尾をしています。複数飼育が可能ということで、ペアを入手して同居させていたのですが、オスの方が逃げてばかりで、ペアリングどころではありませんでした。上の写真の下がオスです。
ところが、メスが持ち腹だったようで、たくさんの子サソリが生まれました。卵胎生で、孵化子は幼虫の形で仔産され、母親の背中に乗って過ごすところは一般的なサソリと同じです。
孵化直後の幼虫たちは、真っ白でプニプニです。飲まず食わずで1ヶ月くらいは過ごせそうですね。
数時間で、色づいてきて母親の背中でもあまり目立たなくなります。
孵化から20日くらいで、幼虫たちは一斉に親離れをします。その際に最初の脱皮をするので、辺りには脱け殻が散らばっています。幼虫たちは親とちがってプラケースの壁面をホイホイよじ登ります。フタに細かいネットを施しておかないと脱走してしまいます。
親離れするころにはずいぶんスリムになっていて、すっかりサソリらしいです。ちっこくて可愛いです。
幼虫にはミルワームを与えました。よく食べました。できればコオロギやレッドローチを与えたいところですが、このサソリ、なんだかどんくさそうなので、動きの俊敏な生き虫は頭をつぶして与えたりしました。
飼っているうちに、よく食べる個体とそうでない個体とで大きな体格差が出てきました。良く食べる個体はどんどん太り、早々に脱皮して加令します。
タンザニアフラットロックよりも明るい色を呈するこれは、サウスアフリカンフラットロックです。これも飼育下で仔産してくれました。
サウスアフリカンフラットロックの幼虫と、その脱け殻です。
フラットロックの仲間は上手く飼えばたいへん長生きするサソリです。地味に長く飼いましょう。
何種類かのフラットロックを飼いましたが、そのうちの3種類が飼育下で繁殖しました。現在もうちで繁殖した本種と、同じく自家繁殖のモザンピークフラットロックの幼虫を飼育中ですが、成長が遅くなかなか大きくなりません。地味に長く飼います。
また、日本の八重山諸島にも分布するヤエヤマサソリも、フラットロック科(ヤセサソリ科)の仲間です。ひじょうに小さなサソリですが、これも飼育繁殖が容易です。成虫でアフリカのフラットロックの初令幼虫くらいですから、子供はアリンコのようなサイズです。小さな容器で何匹も一緒にちんまり飼えます。