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レッドローチ

2014/05/15


 10年前は日本では全くポピュラーではなかった虫ですが、現在は爬虫類等の飼育の生き虫として大量に流通しています。東北アフリカ〜中央アジア、北アメリカに生息し、平均寿命は半年〜1年ぐらいということです。飼育下ではあまり季節感なく常時繁殖しているって感じです。加温していれば冬でもどんどん繁殖します。北米にも住んでいるということは、そのうち日本にも帰化するのではないでしょうか。すばしこい虫なので、飼育下から脱走することもしばしばです。
 ただ、帰化の話しは聞かないところをみると、日本の野生では他の虫との競合でことごとく敗退しているのかもしれません。



 卵を集めました。正確には卵鞘ですね。この1つ1つの中に数十の卵が入っています。飼育下では何もせずに放っておけば勝手に繁殖するので、卵鞘を集めて隔離するなんて手間をかける必要はないのですが、こうする方が繁殖率が向上するという意見もあります。
 繁殖力の強い生物のさらに繁殖を促さなくてもよいようなものですが、筆者は小さな食虫動物の餌として孵化直後のレッドローチを手に入れたい時などに、こうして卵鞘を集めておきます。



 卵鞘はけっこう可愛らしいアズキみたいな形状です。日本のご家庭でもお馴染みのヤマトゴキブリ等もこれと同じタイプの卵鞘を産みますね。
 飼育中のカマキリの卵が孵化した時など、これをカマキリのケージに適当な数入れておけば、自動的に餌が供給されるというわけです。便利だ。ゴキブリのメスはしばしば卵鞘を尾端にくっつけて持ち歩いていますが、そのうち手放し、それから孵化まで1ヶ月くらいかかります。



 はい、孵化しました。卵鞘に対して意外と大きいでしょ? こんなのが1つの卵鞘から数十匹孵化するわけです。



 孵化直後は白い虫ですが、しばらくすると色づきます。初令幼虫の色はこんなもんですね。成長するにつれて色が濃くなります。成長した幼虫はその名の通りひじょうに赤いですが、成虫ではメスは黒っぽく、オスは薄茶色になります。



 レッドローチの餌には、昆虫ゼリーやカメの餌、爬虫類の餌などを与えていますが、上の写真は昆虫ゼリーを食べ尽くしたところです。
 年中繁殖していますが、長らく飼っているとそれには波があることが判ります。現在はひじょうによく増えていますが、こういう時期では毎回上のような光景が見られます。食べ尽くされた昆虫ゼリーの空のカップの中に小さな幼虫だけが脱出できずにワラワラ取り残されています。小さな食虫動物の餌に小さな幼虫が欲しいという時にこれは便利です。その需要がなければ、幼虫たちはそのまま元のケージに放してやります。レッドローチはほとんど共食いしないので、成長した幼虫や親と同居させておいても、多くが無事に成長します。



 となりの昆虫ゼリーカップには、何やら別の虫がわいています。いつの間に混入したのでしょう。カメの餌にでもこの虫の卵が付着していたのでしょうか。浸入ルートは不明ですが、一時期しばしばこの虫がわいていました。いつ見ても昆虫ゼリーカップ1個を自分たちで占有していました。



 侵入者は、小さな甲虫ですね。幼虫と成虫が混在しています。孵化して1週間もすると早いものは羽化に至るような虫かもしれません。あまり使い道なさそうなので捨てましょ。でも興味深い現象ではあります。いずれこの虫を飼育してみても面白いかも。



 レッドローチの飼育環境はこんな感じです。紙製の玉子パックをたくさん重ねておくと、その表面積の分だけレッドローチの足場ができて、1つのケージに収容できる個体数が増えます。右上は木製の専用台に並べた昆虫ゼリーと、空のカップに入れた熱帯魚用のドライフードです。レッドローチがワラワラ増えると、この程度の餌の量では数日ももたないので、こまめにメンテするのが面倒な場合は、ケージ内に餌をばらまいておけばいいです。すぐに食べ尽くします。給餌量が多ければ繁殖力もアップします。



 成長して赤みが強くなってきた若令幼虫です。彼らはいつもこんな風に過密状態で暮らしていますが、問題はありません。
 繁殖率には波があると申しましたが、その並みは数ヶ月サイクルの場合もあれば数年サイクルの場合もあります。極度に繁殖率が低下した場合は、新たにレッドローチを適当数買ってきて加えてやれば、また繁殖率が回復します。
 ってことで、成虫の紹介は、また次回に。

コメント
かなり前の記事なので今さら感ありますが 混入していた虫は活き餌でよく使われるミルワームではないでしょうか。
  • パウ
  • 2016/05/29 10:56 PM
パウ様。
コメントありがとうございます。
ミルワームとのご指摘ですが、市販されているミルワームとは少しちがうかもしれません。近縁の虫であることはまちがいないと思いますが。
レッドローチも餌用に市販されているので、取り扱っている業者の元で両者が混入する可能性はあるかもしれませんね。
もしこれがミルワームなら、養殖とは異なる環境で育ったせいで体色等に変異が生じているのかもしれません。となるとパウ様のご指摘どおりミルワームで正解ってことになりますか。
ミルワームかどうかという点よりもレッドローチの中で発生する様子が興味深かったので記事にしました。

また何か判りましたら教えてくださいね。
  • 筆者
  • 2016/05/29 11:44 PM
ガイマイゴミムシダマシのような気がします。
  • @utkbio
  • 2016/08/09 8:32 AM
@utkbio様。
教えていただいたガイマイゴミムシダマシは、私どもの知らない昆虫でした。教えていただいてありがとうございます。
レッドローチの飼育ケージの中で勝手に繁殖していましたから、昆虫ゼリーで普通に飼育繁殖が可能なのかもしれませんね。
ゴミムシダマシの仲間は、成虫は昆虫ゼリーでも飼えるものが多いように思うのですが、奇遇にもナガニジゴミムシダマシが入手できましたので、飼育に挑戦してみます。同種は基本的にはキノコ食いと言われていますが。
  • 筆者
  • 2016/08/09 12:59 PM
管理者の承認待ちコメントです。
  • -
  • 2016/08/27 2:00 AM
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