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生物と進化

 すべての生物は進化し続けています。その程度は千差万別で、短い期間にどんどん変わって行き、様々な種に次々と分化する場合もあれば、ひじょうに長い間ほとんど進化しない場合もあります。
 我々人類は、200万年〜300万年前に類人猿の一種から進化して来たと言われていますが、人類や類人猿、それらを含む哺乳動物はかなり短期間に劇的な進化を遂げ、多種多様な動物に分化しました。これとは逆にクラゲやイソギンチャク等の原始的な海洋動物は数億年来あまり進化していません。それでも全く進化していないわけではなく、太古のクラゲと現生のクラゲはちがう種類の動物です。進化の程度があまりにもゆっくりしているのでほとんど変わっていないように見えるだけです。
 地球上の生物全体を見渡しますと、生物の進化とは、時間の流れと共に新しいタイプの生き物が追加され、原始的なものから新しいものまで生物のバリエーションが増えて行くことであると言えるでしょう。
 当たり前のことですが、新しいタイプの生物は古いタイプの生物の一部から分化して来ます。このとき古いタイプの生物が新しいものに置き換えられてしまうのではなく、新旧の共存が始まります。
 生物の進化の様子はしばしば「進化系統樹」という枝分かれしてゆく図表で示されますが、1本1本の枝が生物の種やグループを表し、枝の数は時間の推移と共に増えて行きます。枝は長く伸び続けて次々に新しい枝を分化させる場合もあれば、短命で終わってしまうこともあります。また新種を分化させたあと間もなく途絶えてしまうこともあります。様々な紆余曲折があるものの、生物の種類は時間と共に着実に増えて行きます。
 種類がどんどん増えると、同じような生物が同じ場所で共存する事態が起こりますが、このことは生態系全体にとってはたいへん重要で、生活環境の変化によって共倒れしてしまうことを防ぎます。生物はそれぞれの種が、独立して生存競争しているというよりも、互いに係わり合い、環境の変化でダメージを受ける種があれば、別の種が頑張るといった形で生態系を維持しているように見えます。
 生物の進化は、個々の生物が生存を賭けた競走によって生じ、その結果弱者は淘汰され強者が生き残るという形で進むと説明されることが多いようですが、自然界では強い者も弱い者も共に繁栄し、生態系全体のバランスを保っています。
 生物の進化は、偶発的な突然変異の積み重ねであると一般に考えられているようですが、筆者はやはり、経験や後天的に獲得した形質の情報が突然変異を引き起こす要因であるという考えを捨て切れません。

 生物の進化について勉強すればするほど、謎は深まるばかりです。地球上の生態系の歴史を見ていると、そのドラマがあたかも最初からプログラムされたシナリオに基づいているように見えて来ます。遺伝子という生物を司るユニットには、その星の環境で生命が繁栄し、生態系という巨大な環境を構築するにいたるためのプログラムが最初から記述されており、生命が誕生日するとすぐにそのプログラムが始動し、状況に応じた変異が生体にもたらされ、海には海洋生物があふれ、陸地は植生に覆われそこに動物が住むようになる、生物とはそのような装置であり地球上の生物圏全体が1つの生き物みたいなものなのではないでしょうか。
 ではいったい誰がそのような装置を地球にもたらしたのでしょう? このように考えると神のような高次元の存在に登場願わねばならなくなるわけで、それはもはや生物学の問題ではありません。
 それならば、宇宙の構造がそうなっているのでしょうか。太陽から適当な距離にある適当な質量と水を有する惑星に数十億年という時間が与えられれば、生命が誕生し数億年で知性体が生まれるようになっているのでしょうか。それとも地球という星でそういう出来事が起きたことはたまたまの偶然であり、こんな事例は他には存在しないのでしょうか。

 科学の専門家といわれる人たちの学術的な見解にせよ、筆者のようないささかロマンチックな素人考えにしろ、地球上のすべての生物が同じ組成の遺伝子を有し、停ることなく進化し続ける有機体であるということには疑問を差し挿さむ余地はありません。
 生物は遺伝子の制御によってひじょうに正確に形質がコピーされ、世代交代が行なわれますが、完璧に見えるコピーはじつは不動のものではなく、親と子供とでは異なっています。とくに有性生殖(オスとメスが互いの遺伝子を分け合う)の場合は、ちがいは明瞭です。形質にほとんど差異が見られなくても遺伝子の情報はちがっています。情報のちがいは世代交代ごとに大きくなって行き、それがある一定のラインを越えたとき、親と子とでは種がちがうほどの変異として顕現するのではないでしょうか。それが進化の原動力ではないかと筆者は考えています。
 そして世代交代ごとに遺伝子上に蓄積されてゆく情報の差異は、生物の経験に基づいているのではないでしょうか。だから同じ環境で同様の変異は斉一的に生じ、新種は同じ境遇の配偶者と高確率で出会うことができ、偶発的な突然変異よりもはるかに確実に進化は成功するのです。


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