タンザニアバンデッドウデムシ
2014/05/22
ウデムシはサソリモドキ、ヒヨケムシと並んで世界の3大奇虫とか言われています。確かに変な虫です。まったくわけが解りません。偏平な体にひじょうに長い肢が生えています。8本の歩脚は体長の3倍近くありそうですが、一番前の歩脚がひじょうに細くやたらと長く伸びて触角のようになっています。歩脚の一部が触角を兼ねるような構造の虫は他にもいますが、こんなに大きな虫では見たことがありません。それに小さな虫でも触角のように用いられるのは前肢です。本種の場合前肢がハサミになってるので、仕方なく第2肢を触角にしたのでしょうね。変です。ほんとうに変なのです。
体長は3〜4cmあります。歩脚はヒョロっとしていますが、前肢が頑丈なハサミになっています。いかにも捕食動物っぽいです。常時折り曲げて肘を張った状態の前肢の腿節と脛節の内側には鋭い歯列が並び、こいつでガッチリ獲物を挟み込めそうですが、前肢の先端がさらにハサミになっています。
2年前にペアで購入し、半年ほど飼育しました。長生きはしませんでしたね。筆者の飼い方がまずかったのでしょうが。この奇妙な虫が、けっこう人気者でして、しばしばショップや通販でも見かけます。飼ってみると確かに面白いです。運動性に欠けるような形状でありながらけっこう素早く動きますし。
前から見たお顔は、じつにいかついですね。これに似合わず温和な生き物ですけど。威嚇や攻撃よりも、とりあえず逃げます。
脱け殻です。節足動物ですから、脱皮もします。あのやたら長い肢の脱皮を想像するとかなり憂鬱になりますけどね。
ある時、数日見ないうちに幼虫がわいていました。本種もサソリや多くのクモの仲間のように葉は虫が子供を背負って一時期保護する習性を持つはずですが、筆者が見たときににはすでに幼虫たちは独立していました。いつ産卵していつ育児を終えたのやら、さらに謎が増えました。
上の写真の矢印のところに幼虫がいます。それが判れば他に何匹か写っている幼虫も見えるでしょ?
接写してみます。幼虫に比べると母虫は怪獣みたいですね。幼虫たちはすでに成虫と同じ不思議な形態を備えています。
幼虫は、成虫よりもカラフルですよ。前肢はオレンジ、腹部は緑色がかっています。
幼虫たちも残念ながら長生きさせることはできませんでした。ダメだ、下手くそだ。あたしゃ3流の飼育者だ。