ドクダミ
2014/05/31
ドクダミなんてなんとも音のよろしくない和名が付いていますが、花は上品にして可憐、葉はハート形をした可愛らしい植物です。人家の近くでもしばしば見られる雑草で、美しき隣人なのですが、やはりその名前でかなり損をしている感があり、ドクダミLOVEって方や、庭に植えている、あるいは庭に浸入してもそのままにしているという人にはお目にかかれません。

身近な雑草としても有名ですが、薬草としても名が通っていますね。実際に本種を薬として利用している方の話しはあまり聞きませんが、筆者の亡くなったかぁちゃんは、痔の膏薬と称してすりつぶしてオケツに塗っていました。けっこう効いたらしい。
ドクダミの名の由来には、毒を中和するといった意味合いがあって、中国あるいは日本でも薬として認められているそうです。
かなり臭みがありますが、加熱して臭みを除き、天ぷらにして食する文化も日本にはあるらしい。ドクダミ茶というハーブティのうわさも聞いたことがあります。

ドクダミの開花時期はちょうど今頃から盛夏くらいまでですかね。深い色あいの葉と、白い花のコントラストが絶妙です。

これがドクダミの花です。じつは花弁に見えるものはダミーだったりします。あれは総苞と呼ばれる花の受け皿みたいなもので、実際の花は花弁を持たず、小さな雄しべと雌しべがたくさん並んだ塔を形成しています。
では、上の写真の右側に写っている丸いものは何と呼べばよいでしょう。総苞の開く前のものもやはりツボミでよいのでしょうか。それとも咲いている状態の花序の上の方の、まだ雄しべが伸長していない部分1つ1つをツボミと言うべきでしょうか。困りましたね。

ハート形の葉を持つ植物は少なくありませんが、本種のそれは、ハート形の葉選手権大会でかなりの好成績を残せそうですよ。