ホシハラビロヘリカメムシ
2014/05/31
なんだか早口言葉みたいな名前のカメムシですが、ヘリカメムシ科の定義はですね、頭部を側面から見て頭頂と目の中央を結ぶ線より上方からの部分を頭部側縁と言いまして、そこから触角が生えているということだそうです。ヘリカメムシの"ヘリ"とはとりもなおさず"縁"すなわち側縁のことというわけです。
触角の生え際が名前の由来とか、なんかおかしいですよね。そこそこの大所帯でいろんな種を含みますが、総じてカメムシとしてはスマートな体格のものが多く、前胸に対して中後胸がキュッと締り、腹部がふたたび膨らむというナイスなプロポーションのものが主流です。
本種では、腹部の膨らみがいっそう豊かで、翅鞘の幅より広くなっています。それでハラビロの名が追加されるわけですが、ちなみに別項で紹介したサシガメもこのようになっていますが、ハラビロの名は付きせん。なんでやねん、とおっしゃるなかれ。サシガメの仲間ではそれが当たり前みたいになっていますし。
で、翅鞘前部中央に結構目立つ黒い紋が左右1つずつあって対を成しているのがホシの由来ですね。
これらの特徴を合わせて、ホシハラビロヘリカメムシの和名が完成いたすわけです。
マメ科とくにクズの茂っている場所でたくさん見つかります。カメムシというと、青臭い悪臭を放って敵を退けるわけですが、それをものともせずにこの虫をむさぼっているキリギリスを見たことがあります。肉食性の高いキリギリスですが、カメムシOKなら、彼らの身近にたくさん棲んでいますから餌に困らないですね。カマキリはどうでしょう? カメムシはムリですかね。
うちにも飛んできてしばしばベランダの洗濯物に紛れ込んで、嫁さんを怒らせています。嫁さんは白いヒラヒラするものが好きなんだと言ってましたが、カメムシにそんな趣味はないと思われます。洗剤の臭いに惹かれるのかもです。昼間から飛んできますから灯火に集まる習性とは無関係ですし。
あの臭いさえ出さなければ、けっこうオチャメな容姿をしていますし子供たちにも人気が出るでしょうに。おしいところです。