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スペキオーサ・ジュッセリーニ2

2014/06/03


 飼育中の幼虫のうち2頭が蛹室を作っていました。1頭はまだ前蛹で、もう1頭はすでに蛹化していました。



 これはプリンカップの地表側に作られた蛹室と、その中の前蛹です。湿った感じの縁取りは、その部分がプリンカップのフタと接していたところです。コガネムシやクワガタの幼虫は、多くの場合こうして硬いものに接したところに蛹室を作り、飼育下ではしばしば蛹室の内部がかいま見得ます。



 こちらはプリンカップの側面に接して作られた蛹室、中では蛹が時々動いています。



 前蛹のいる蛹室を掘り出しました。このサイズの甲虫の蛹室はけっこう頑丈で壊れにくく、掘り出しやすいです。もっと大型の種ではなかなかこうはゆきません。



 観察しやすいように、蛹室の壁をピンセットでポリポリと削り取り、こんな感じにしました。幼虫の尾端には糞が詰まって黒ずんでいるものですが、それを分泌して蛹室を築く接着剤として使うので、完成した蛹室の中の前蛹は、尾端が白く小さくなっています。



 蛹のいる蛹室も掘り起こしてやりましょ。蛹フェチの皆さんの期待に応えて、これから蛹をほじくり出しますよ。



 はい、お待たせ。見事な裸蛹です。甲虫類の蛹は成虫の細部が判る裸蛹なので、見応えがあります。この美しい芸術作品も10日ばかりの仮初めの姿ですけどね。



 背面図。蛹を蛹室から取り出しました。



 側面図。6肢なんかこれで歩けそうですよね。実際の成虫の肢はこんなに太くないし、腹部はこれよりもかなり短くなります。羽化の際には腹部に溜まった水分が上半身に送り出されることによって背中の殻が割れ、4翅が伸びてゆきます。これが蛹の腹部が成虫のそれよりも大きな理由です。



 園芸用品のオアシスというスポンジを使って、人工蛹室を作りましょ。小さなタッパーにオアシスを詰め、たっぷり加水し、中央にくぼみを作ります。この程度の虫のものなら、親指でグリグリ押してくぼみを作れば、あっという間に完成です。



 ほれ、この通り。幼虫が作った蛹室をそのまま人工蛹室にはめこみます。



 蛹もこの通り。幼虫が作った蛹室をこんなふうにそのまま用いるのは、蛹をダニ等の被害から守るためです。ヘビの卵も生きた卵はカビを寄せつけません。同様に甲虫類の蛹室は、防虫および湿度保持に高い性能を発揮すると思われます。
 筆者のこれまでの経験でも、蛹室から完全に孤立させた蛹は死亡率が高くなりました。また、裸蛹は乾燥にも弱いようなので保湿も重要です。
 大型の甲虫では蛹室を形を維持したまま掘り出すのが困難な場合があります。そんな場合でも蛹室の一部を人工蛹室に入れてやると効能を期待できます。



 保湿のためにラップして保管します。
 タッパーの隅の方、蛹室からなるべく遠いところ数ヶ所に針で突いて通気孔を開けておきました。オアシスを加水してあるので、湿度過剰で蒸れてしまうかもですし、結露で蛹室が水没するようなことにもなりかねません。以後はこまめに観察しつつ羽化を待ちます。蛹がびしょぬれになるほどの湿度が生じている場合には、オアシスの水分調節、ラップの一部をめくって通気孔を拡大するといった処置が必要です。

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