タケカレハ2
2014/06/21
12日にタケカレハのメスを捕獲し、翅を開かせようとしたら、尾端から卵がゾロゾロと出てきました。これを持ち帰って観察したのが翌日。とてもユニークな可愛らしい卵でした。そのまま捨てちまおうかとも思ったのですが、たまたまカイコの卵を孵化させるのに使用した孵化器?があったので、とりあえず置いておくことにしました。
孵化器とは言うものの、単に2重のタッパーをラップで覆っただけのものですけど。外側のタッパーには加水したティッシュが敷いてあり、内側のタッパーに卵を収容し、保湿のためにラップで覆っています。
2日ほどすると、卵はなんだか干からびたような色になり、やはり死んでしまったか、産卵前の卵が孵化するわけないよな、なんて思っていました。湿度が足りないせいで干からびたのかもとも思いました。
ところが、卵を採取して9日目、多数の幼虫が孵化してきたのです。しかもかなりたくさんいます。こんなにたくさん卵があったのかと驚かされるほど。あのメスはすでに交尾を終えており、産卵を間近に控えていたわけです。見つけた場所から食草の竹があるところまでずいぶん遠いですが。
なんだか元気のない幼虫たちです。ピンセットでつまみ上げても無抵抗ですし、手放しても動きません。擬死という護身術なのかもしれませんが。
デジタルスコープで拡大すると、こんな感じです。毛虫ですね。肉眼ではながさ4mmていどの黒い糸くずにしか見えませんが。
頭部のクローズアップ。目玉から毛が生えているように見えますが、これは胸部前縁で、中央の小さいのが頭部ですね。
こうして丸くなると、毛が逆立って護身になるのでしょうか。ドクガとちがって毛に毒はありませんが。
本種の食草は、タケやササ、アシ、ススキ他のイネ科植物とありました。産卵を控えたメスが竹やぶから遠く離れたところに飛来していたことも考えると、そこいらのイネ科の雑草でも育てられそうな気もしたのですが、車でひとっ走りして竹の若葉を調達してきました。
竹の枝葉は切り口を加水したティッシュで巻き、手のひらサイズの飼育ケースに収容しました。これで2〜3日は竹の鮮度が保てると思います。あとは幼虫が食べてくれればOKです。