タケカレハ6
2014/08/13
タケカレハの幼虫たちもずいぶん大きくなりましたよ。この美しい毛虫たちは集団生活に強く、密集飼育でも共食いや伝染病、不慮の死といった危機に瀕することもなくみんな元気にしています。ただ、食草のタケが長くは鮮度を保てずすぐに干からびて食べられなくなってしまうので、観察を怠ると餌切れ状態になっていて、それが生育のさまたげになったことが幾度かあったような気がします。
7月29日。脱皮直後の幼虫を見つけました。体色が明るくとても綺麗です。向こうにいる通常の幼虫と比べると、黄色い感じですね。
頭部もまだ柔らかくオレンジ色をしています。先端に旧皮がくっついています。そしてこのヒゲズラ。毛虫もじっくり観察するといろんな表情が観れますね。
体長でようやく30mmを越えました。大きくなったものです。
そしてこの日の夜中、筆者は両手に強い痛かゆさを覚えて目を覚ましたした。ただこの時は原因がまさかこの毛虫だとは思わず、昼間に解剖したオキシペタルム(庭草の章参照)の実から出た粘液にかぶれたと信じていました。
8月7日、幼虫たちは40mmていどになりました。まだ小さいものでも35mmくらいはありそうで、成長にあまり個体差がありません。
丸くなっています。危険を感じたときに実を丸めるのとは別で、最初からこうなっていました。ガの幼虫は脱皮が近づくと採餌せず、休眠状態になるので、それかもしれません。
本種の幼虫は、広葉樹の葉を食するチョウの幼虫ほどには大食漢ではありません。多くの葉が食べられる前に干からびて丸くなってしまい、こうなると幼虫たちは食べなくなってしまいます。
8月10日、幼虫の先端付近と尾端付近に黒い毛の束が突き出ています。なかなかオシャレです。幼虫が成長するにつれてこの特徴も目立つようになってきたわけですが、愚かな筆者はこの時点でまだこいつの正体に気づいていませんでした。この日の夜も、筆者は両手の耐えがたい痛かゆさに悩まされることになります。
似たような写真ばかりになりますが、干からびたタケの葉と幼虫たちです。干からびた葉は硬くて幼虫の餌にはなりません。糞は水分がほとんどなく、掃除が楽です。タケという食草からは多くの水分は得られないようです。
最近は1日から2日おきに新しいタケと交換してやっています。その際、効果があるかどうかは判りませんが、スプレーで水をかけてやっています。幼虫が水分不足ならこれで補えるでしょう。
8月11日、50mmくらいにまで成長しました。これでもう終令じゃないのか、と思うのですが。近くの竹林にせっせとタケの葉を採りに行くのも飽きてきたので、そろそろ蛹化を期待したいところです。
そして筆者は、今さらながら気づいたのです。最近の両手の痛みは、幼少の頃にドクガの幼虫で遊んだり繭を解剖したりした時に受傷した時のそれと似ていると。調べてみました、やはりタケカレハも幼虫および繭が毒毛を有するとのことでした。触れてしまった場合は皮膚炎を発症するので、抗ヒスタミン剤を含むステロイド軟膏の塗布が有効であるが、医師に診せた方が良いとありました。
幼虫の先端付近と尾端付近にある黒い毛の束は、攻撃用の毒毛だったようです。それと知らずに今の今まで幼虫たちを素手で扱ってきたわけです。柔らかくてプニプニしてる、なんて思いながら。今も両手が痛かゆいです。最後に幼虫に触れたのは2日前なのに。手のひらから格指の先まで痛いです。それを押してパソコンをたたいています。まぁ、どうってことないですけどね。
医者? 行きませんって、面倒だし。明日から幼虫はピンセットでつかみます。それでも食草や飼育ケースに毒が付着しているかもですが、毒毛に素手で触らなければ影響は小さいでしょう。
むかしはタランチュラが飛ばしてくる毒毛にも苦しめられましたが、今はそれには慣れちまった感があるのですが、ガの毒はまたちがうみたいですね。ハハハハハハハッ。