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キノコ

2014/08/20


 粘菌の項で、生物には動物界植物界に加えて菌界という動物でも植物でもない生物のグループがあるということをお話ししましたが、その菌界の代表選手とも言うべき存在が、キノコではないかと思います。これはあくまで人間の目から見てよく目立つとか、食用種もあって親しみやすいといった世俗的な観点での代表選手であり、菌界に属する生物の基本型ということでもありません。
 菌界に属するいわゆる菌類(細菌ではない)には、アメーバ状生物が時折子実体を形成する粘菌のようなものや、カビの仲間などがあり、キノコはその中で比較的大きな子実体を形成するものの言わば俗称で、子実体を形成しない状態、いわゆる菌糸の状態では一般的にはキノコとは思えない姿です。言い換えればある種の菌類が繁殖のために大きな施術体を形成した際の、子実体の部分の俗称がキノコというわけです。



 キノコ(子実体)は、傘状や球形をしている場合が多く、子孫の生活圏を拡げるために胞子を飛ばす機能を持っています。胞子は煙のように宙を漂って拡散して行きます。そのプロセスは、顕花植物の花に似ています。キノコは、高湿度の際にパッと現れパッと姿を消してしまいます。



 人家の付近でも、雨のあとなどにはさまざまなキノコが出現し、すぐに姿を消してしまうのを見かけますね。これが常時高湿度の山林などでは、より多くのキノコをより長期間見ることができます。



 今回は、明治神宮の境内の森のキノコを適当に撮ってまいりました。たまたま白いキノコばかり見つけました。白やベージュのキノコが最もオーソドックスで種類も多いです。こういう光景も山歩きの際によく目にしますね。



 人間も好んで食するキノコですから、これを食べる動物も当然少なくありません。また朽木に穿孔する多くの虫が朽木およびそこに繁殖する菌糸を食べます。クワガタムシの幼虫の飼育にもヒラダケやカワラダケの菌糸が繁殖した朽木を、高栄養の飼料として好んで使ったりしますね。
 植物は種子の運搬に動物を利用するために、彼らを引き寄せる花蜜や果実を形成し、それらを提供する代償として種子の運搬を依存するという習性を持ちますが、菌類の子実体にもそうした機能があるのでしょうか。動物に栄養を提供するために大きな子実体を形成し、胞子を運んでもらうというようなことがあるのでしょうか。菌類はきわめて植物的ではありますが、光合成をして栄養を内部供給するようなことはなく、外部栄養のみに依存するところが動物的です。

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