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ミズゴケ

2014/08/20


 最近、別項で菌類のお話しをしましたが、コケ類になるとこれはもう純然たる植物界の一員で、光合成をして滋養を産み出す機構が備わっています。植生を形成するような大型植物は存在しませんが、カビや粘菌の子実体とは異なり、長期的に美しい緑を保っています。
 コケ類は乾燥したところでは生活できません。したがって光合成はするもののあまり日当たりの良いようなところは苦手です。水辺や湧き水の近くや、草木がうっそうと茂る森などが彼らにとっての楽園です。とは言うものの平地でも多数のコケ類が観られ、多湿と乾燥を繰り返すようなところでも頑張っている種類もあります。



 明治神宮の御苑の中にある清正井(きよまさのいど)という湧き水の井戸のすぐ近くで、ミズゴケの一種が群生しているのを見つけました。井戸へ向かう通りの斜面に丸太で路肩を確保しているところがあって、古くて朽木と化している丸太たちが、ミズゴケの帽子を被っていたのです。



 ミズゴケはその構造に大量の水を貯め込むことができるようになっており、触れるとひじょうに多湿であることが判ります。これを乾燥させたものが園芸用品として市販されており、筆者も多湿を好む生き物の飼育や、ヘビの卵の孵化までの管理などによく用います。乾燥ミズゴケは加水して使用してもカビたりしにくく保湿剤としてひじょうに便利です。
 ふだん乾燥ミズゴケを見慣れている筆者にとっては、青々とした生きたミズゴケは新鮮でした。まるで茶色いカナブンの緑色変異型に遭遇した時ような衝撃を受けました。山ではそれほど珍しい植物というわけでもないんですけどね。こんな気持ちになる自分に笑えます。

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