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エボシカメレオン2

2014/09/


 カメレオンはコロニーを作って暮らすタイプの生き物ではありません。単独飼育が基本です。ヒョウモントカゲモドキが性成熟後のオス同士の同居が不可であるように、カメレオンも成長すると複数飼育はできません。ペアであっても常時同居させるのはよろしくないようです。
 1頭のメスが発育不全で、大きくならずにやせ細り、年明け早々に死去してしまいました。



 2004年1月、手のひらサイズにまで成長しました。60cmのガラスケージに4頭を収容し、観葉植物をたくさん入れました。カメレオンの飼育には通気性がひじょうに重要です。しっかりと加水した土に植えた観葉植物に時折スプレーで水をかけてやり、多湿でありながら空気がよく流通してこもらないようにし、少しでも森林に近い環境を仕立ててやります。



 オス同士が、お互いの体に付いた水滴を舐め合っています。和やかな光景ですが、こんなふうにしているのも今のうちです。間もなく互いに敬遠し合うようになります。
 カメレオンは植物などに付いた水滴を舐めて水分補給するので、水入れを用意してやってもそれを飲み水だと認識しません。飼育には、水滴がポタポタと落ち続ける装置を使用するようです。



 メスが仲間を威嚇しています。幼い頃から一緒に暮らしてきた仲間たちとの同居もそろそろ終わりです。筆者がこれまで飼育してきた様々なトカゲの中に、メスが同種を威嚇するようなケースはありませんでした。



 メスの威嚇を受けて応戦するオスです。大きく口を開け体が黒く変色しています。すごい迫力ですが、体の小さなメスにいささか圧され気味です。この時はメスの方が高い場所を占め、オスは地表付近にいたので、地の利でメスが優位に立ったようです。



 オス同士の闘争に敗北した個体です。地表に横たわり、死んだようにじっとし、目だけを動かしています。互いに傷つけ合うようなことはありませんでしたが、負けを認めた個体は勝者に恐れをなしてまったく動けなくなってしまいます。ケージの中では逃げ場がありませんから、これでは生きて行くことができません。



 2004年4月。頭胴長20cmていどに成長したオスです。模様の美しさ、大きな頭頂の隆起、立派に育ったものです。頭頂の隆起は専門家たちはクレストと呼んでいます。このクレストが烏帽(えぼし)に似ていることが本種の和名の由来です。神主さんとかが被っているあれです。外国の動物なのに、ジャパニーズトラディショナルなネーミングですね。



 成熟したカメレオンたちはそれぞれ個別に管理しました。安定した飼育環境を考えると大きなケージが理想的ですが、1頭1頭に大きなケージを設ける場所もありませんから、鳥かごを利用しました。動きが緩慢な動物ですから、熱や空気がこもったり蒸れたりしなければ、広いスペースも必要ないですし。鳥かごは通気性という点では抜群です。
 成熟したオスは、メスさえも威嚇して寄せつけません。繁殖を期待してメスを同居させても、オスの威嚇に怯えたメスは、どす黒い色に変色し地表にうずくまってしまいます。

 ある時、メスが婚姻色を発色しました。かなり強烈な色でした。体色は黒色になりひじょうに鮮やかな黄色の斑紋が全身に出現しました。残念ながらその写真が残っていません。
 婚姻色は一時的でしたが、雌雄の鳥かごを近づけてやると、オスは威嚇することなくメスに興味を示したようなので、しばらく同居させてみました。



 2004年5月。メスが環境植物の根元に産卵しました。数個の卵を毎日少しずつ産みました。雌雄の同居はごく一時的でしたし交尾も確認していません。



 エボシカメレオンは土を掘って地中に産卵すると聞いていたのですが、卵はいずれも地表に放置されていました。卵は11月下旬まで管理したのですが死滅し、繁殖には至りませんでした。
 上の写真は変なポーズをしているメスですが、数回の産卵の後あたりから様子が変になりました。地表に寝っころがったまま採餌もしません。木に登ろうともしません。



 後ろ足で、前足首をつかんだ状態で地表に横たわっているメスです。朝、見るたびにこの不思議なポーズで横たわっているようになりました。
 産卵は6月上旬まで続き、その後はメスの状態も回復し、木に登っていることもあったのですが、かつてのようには元気にならず、地表に横たわることもしばしばでした。そして10月上旬に死去しました。



 2頭のオスはその後も元気に暮らしていましたが、2005年3月下旬に小さい方のオスが死去しました。性成熟したばかりの頃は、2頭のオスにかなりの体格差がありましたが、この頃にはほとんど差がなくなっていました。元気にしていたのに突然死んでしまいました。



 大きな方のオスです。頭部のクレストがひじょうに立派です。このオスは2006年1月末まで生きていました。生後2年半です。

 カメレオンの飼育は容易ではないとされて来ましたが、最近では飼育下でもかなり長く飼うことができるようになってきたようです。小型種で3年ていど、中型種で5年ていど、大型種では5〜8年くらいいきるそうです。本種は大いものでは60cm以上にもなる大型種で、カメレオンとしては長生きする方です。上手く飼えば野生のものよりも長生きするそうですから、厳しい自然環境で生きているカメレオンたちは、もう少し短命で生涯を閉じるのでしょう。
 うちで繁殖したコーンスネークは生後13年あまりで今なお元気ですが、同じ爬虫類でも寿命に差があるものです。

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