タケカレハ7
2014/09/24
8月中旬に全長約5cmに達した幼虫たちは、それで充分に成長した終令幼虫になったはずでした。孵化してから2ヶ月近くが経過しています。これまでに育ててきたチョウやカイコガと比べると、ずいぶん長くかかりました。でもこれでようやく蛹化し、食草のタケを調達しにゆかなくてもよくなると、期待したのですが、これが一向に繭を作る気配もなく月日が過ぎて行くのでした。いいかげん育児放棄になりそうでした。
8月28日。終令になってから2週間ばかりが経過しましたが、繭も作らず、さりとて成長もしません。若令幼虫の頃のようには食べなくなったようにも思えます。
背中のズームアップ。地味な毛虫ですが、こうして拡大するとなかなか綺麗でしょ?
体色が黒ずんでいる個体がいました。これは採餌する気もないのか、飼育ケースのフタにくっついていて動きません。加令のために脱皮が近づくと同じようになるので、これは蛹化の前兆かもと期待が高まります。
9月2日。体が黒ずんだ個体が2頭になりました。依然として繭を作ろうとしません。
飼育ケースのフチのところをモゾモゾと歩いています。繭を作る場所を探しているのでしょうか?
9月19日。屋外で成虫を見つけました。自然界では秋型の成虫がすでにこうして羽化しています。
頭部前面ズームアップ。モコモコです。
9月21日。飼育下でついに繭を発見。終令幼虫になってから1ヶ月あまりが経過しています。長かったです。正直、かなり嫌気がさしていました。カブトムシのように幼虫のまま越冬するともりかと心配したほどです。、
繭を横から見たところ。でもまだ10頭あまりの幼虫がいるんですよね。すべてが蛹化するまでにあとどれくらいかかるのでしょう。
繭を拡大すると、たくさんの毛で覆われています。これらの毛は有毒で、触れると手がかぶれます。
繭を切り開いてみました。前蛹が出てくるかと思いきや、すでに蛹になっていました。数日ごとに観察しているので、繭を作ってからそれほど経っていないはずです。繭が完成すると間もなく蛹化するのでしょう。
側面図。サイズ的には幼虫の半分くらいです。
腹面図。成虫はかなり個性的な形態をしていますが、蛹はカイコガのそれと似たようなものですね。
この蛹も10月早々には羽化し、繁殖に参加することでしょう。そしてメスは越冬卵を産むことになります。