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秋の虫たち

2014/09/26


 筆者の勤務する駅のホームを歩いていても、最近は虫の姿をめっきり見なくなってしまいました。夏場猛威を振るったクモたちも大幅に少なくなり、今見る虫と言えば、ハチやカメムシの死骸ばかり。そう言えばここ数日は、やたらとアシナガバチの死骸を目にします。うちの近所ではスズメバチがたくさん飛んでいます。秋のスズメバチは気が立っていて危険なのだそうですが、単独飛行しているワーカーは人に向かってくることはまずありません。
 ここ数日は、夜間にやや大きめのゴミムシをよく見かけましたが、たぶんオオマルガタゴミムシですね。今頃になって見かける数が増える貴重な虫です。
 そろそろ虫の季節もお終いですね。それでも窓ガラスに張りついたヤモリたちは今もたくさん姿が見えます。また、啼く虫たちは今が最盛期のようです。その中でオカメコオロギとエンマコオロギはよく姿を見せますが、スズムシが声はすれど姿を見ることができません。1ヶ月くらい前から啼き始めたスズムシたちも、あと少しの命でしょう。むかし、滋賀県の信楽町付近の山中で、10月になっても啼いているスズムシを夜中に見かけました。かなり肌寒い空の下で、たくさんの啼き声が聞こえました。筆者の経験では飼育下ではこれほど長く成虫を生かしておくことはできませんでした。繁殖に参加させず個別飼育すると長生きするかもですが。京都の鈴虫寺の異名で知られる華厳寺では一年中スズムシの啼き声が聞けるそうです。和尚は大した昆虫博士ですね。
 啼く虫と言えば、筆者の家の周りでは、種々のコオロギに混ざってマツムシの独特の啼き声がよく目立ちます。飼育下での繁殖がなかなか難しい虫です。そして、リリリリ……と大きな声で大群を成して啼いているのがアオマツムシ。文字通りマツムシを緑色にした形態ですが、啼き方はまったく別物で、もはやうるさいです。明治時代に大陸から移り住んで外来動物です。
 秋は、声はすれど虫の姿が少ない季節ですね。秋の虫たちの声を聞いていると、草原はたいへんな数の虫で満ちあふれているように思えますが、灯火に集まる虫の数は少ないです。
 今年は、たくさんの虫を道端で観察したり、とっ捕まえて飼育したりしました。筆者の人生の中で十年ごとくらいにこういう虫三昧の年があります。夏場は虫の世話に追われましたねぇ。クワガタムシたちの幼虫を菌糸びんに収容し、ハナムグリやカナブン、カブトムシの幼虫たちをプリンカップに収容し終えた時には、なんだかホッとしました。
 今年は春にたくさんのガを観察したし、チョウの幼虫も育てました。また、タケカレハ、クスサン、ヤママユガ、シンジュサンといったガを飼育中ですが、もうとっくに羽化していて繁殖に加わり、越冬卵を産まなければならないというのに、いっこうに羽化する気配がありません。繭の中の蛹を観察すると生きてはいるのですが。タケカレハに至っては終令幼虫になってから1ヶ月半になるというのに、蛹化したものはまだ1頭のみ。まったくやる気が感じられません。いったいどうするつもりなんでしょうね。食草の調達にも疲れました。
 ガの仲間には、夏の間は休眠したり幼虫や蛹で過ごし、秋に再び活動する種が多いようですが、予想に反してガの姿をあまり見かけません。秋のガたちは繁殖に専念して灯火に誘われたりしないのでしょうか。開長1cm級の微細なガがわずかに姿を見せてくれます。微細なガは春から夏にかけてもたくさんいましたが、種の同定のための検索のことを考えると憂鬱で、けっこう見てみぬふりをして来ました。じっくり観察していれば、彼らにも季節ごとの種の移り変わりがあったことでしょう。
 ネットオークションを見渡してみますと、日本の野生の虫たちとしては、ゲンゴロウ類、マツモムシやミズカマキリ、タイコウチ、トゲナナフシ、アリ類、ハンミョウ、種々の啼く虫、クモ類、ムカデ類、カタツムリ類といったものが目につきます。カマキリの成虫もまだ出ています。啼く虫ではキリギリス類ではクツワムシやウマオイがわずかに健在で、あとは様々なコオロギ類が幅を利かせています。
 筆者の飼育しているものでは、ヒラタクワガタ、コクワガタ、シラホシハナムグリ、クロハナムグリ、オオゾウムシ、マイマイカブリの成虫が元気にしており、キリギリスは生き残りの1頭のメスがすっかり衰弱しています。
 筆者の家の周りや庭では、アリンコやハチたちが冬支度に忙しく、トンボやチョウ、バッタなどがまだチラホラ見られます。
 虫たちが冬眠に入ってしまうのを寂しく思う反面、彼らから開放された感もあって、思いは複雑です。このブログに一夜に10項以上の虫の話しを記述していた夏が、今はもう懐かしいですね。

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