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人工蛹室

2015/06/20


 人工蛹室はある意味昆虫愛好家の理想であり夢でした。地中や繭の中の蛹を間近で観察したい、蛹室から取り出してしかも無事に羽化させたい。筆者にもそうした思いが子供の頃からありまして、中学生の頃、カブトムシの発育不全の小さな幼虫が地表に蛹室を作ったのをヒントに、地中の前蛹や蛹を掘り出して、地表にくぼみを作ってその中に入れて観察しようとしました。ところが、その試みはことごとく失敗に終わり、ある時、紙等で筒を作り、前蛹や蛹がその中で立って姿勢を維持できるようにしてやればどうかと思いつき、画用紙で作った人工蛹室を試みました。この簡単な工夫が大成功でして、子供が作ったお粗末な細工の中でカブトムシたちが次々と羽化して行きました。

 それから月日が流れ、オオクワガタから始まった空前の昆虫ブーム。憧れの外国産の甲虫類や様々な生き物がどんどん輸入されるようになりました。16年前、まだ外国の甲虫の輸入が始まったばかりの頃、筆者の友人にすでにその道の権威みたいな人がいました。彼と人工蛹室の必要性と可能性について、あれこれ熱く語り合った覚えがあります。
 ところが愛好家の思いは同じで、それからほどなくして人工蛹室が市販されるようになりました。オアシスという園芸用品を加工して作ったゴージャスなものです。フラワーアレンジメント等に用いるスポンジみたいな素材で、水を含ませるとしっかりと保水してくれます。ひじょうに加工もしやすく、まさに人工蛹室にはうってつけの代物でした。オアシス製人工蛹室は大ヒットしたと思われます。でも、ホームセンターなどでオアシスそのものを買ってくれば、自分で簡単に人工蛹室が作れます。
 人工蛹室は地中に蛹室を作る甲虫類の蛹化や羽化を観察するもので、カブトムシの場合は縦型のものを、クワガタムシやハナムグリでは横型のものを作ります。あるていどの湿度が重要であるとよく言われますが、脱皮の際に乾燥状態だとうまくゆかないのでしょうか。



 ハナムグリのために自作した人工蛹室です。小さな容器にオアシスを隙間なく詰め込み、指で押しつぶしてくぼみを作ります。たっぷり水を含ませます。蛹室内に水がしみ出るくらいだと加水しすぎです。



 普通は人工蛹室の中に直接、前蛹や蛹を置きますが、筆者は虫が作った蛹室を半分残した状態で、そのまま人工蛹室にはめ込むというやり方を採りました。蛹室にはカビや雑菌の繁殖を抑える能力があると思われるからです。



 保湿のためにラップをかけます。完全密封にならないように隅っこを折り返して小さな隙間を設けておきます。あとは観察の度にラップを剥がします。蛹が汗をかいているようならしばらく開放状態にして過剰な水分を蒸発させます。



 カブトムシの縦型蛹室の場合は、透明なセルロイドを筒状に丸めてテープで留め、それを充分な高さのあるプリンカップ等の中に立てます。筒が倒れないように昆虫マットで回りを固めます。昆虫マットを使うのは、飼育に使っていた手近なもので保湿もできるものだからです。



 前蛹や蛹を筒の中に入れます。筒の直径は虫が寝ころんでしまわないていどにします。カブトムシですと3〜4cmていどですか。



 容器にフタをしておきます。完全密封にならないように通気孔を設けておきましょう。



 筆者が用いたコカブト用の人工蛹室はもっと簡単で、工作時間は1秒です。幼虫の飼育に使用してきた昆虫マットに、小指でプスッと縦穴を穿ち、この中に前蛹や蛹を入れるだけです。これで保湿もバッチリ。簡単すぎて笑えますが使えます。この方法はカブトムシには使えません。大きなカブトムシは身をよじってたちどころに穴を崩してしまいます。



 まるで自然蛹室みたいに見えますが、人工的なものです。コカブトは羽化までの期間も短いので、こんなもので充分です。万一途中で穴が崩れたら、またやり直せばよいだけです。

 筆者のものぐさ仕事に呆れられた読者も少なくないかと思われますが、高級な道具でも結果が同じならあまり必要性を感じません。
 現在飼育中のヒラタクワガタ南方亜種たちの場合は、菌糸ビンの底に作られた蛹室の上部のマットを取り除き、天井を開放して中が見えるようにし、そのままで観察するようにしています。最初はビンをルーターか金切りバサミで切り開いて、蛹室を露出してやろうかと考えていたのですが、そうするまでもなく蛹室の内部が見られるようにできたので、楽な方を採りました。

 チョウやガの飼育では、蛹や繭を画用紙やプラケースに両面テープで貼り付け、ティッシュやスポンジなどで足場を設けてやるといった方法で羽化の様子を観察しました。観葉植物に貼り付けるってのもやりましたね。
 みなさんもいろいろお試しください。

厳重梱包の恐怖

2015/07/07


 今日は七夕なので愚痴ります。動物愛護法によって爬虫類の通販が不可になったのもたいがいムカつきますが、両生類はOKの意味が解りません。両生類や魚類は花なんでしょうか? ヤモリは虐待したらあかんけど、イモリはべつにいいじゃんって、どゆこと? 一文字ちがいなのに。
 でもここでイモリだって可哀そうじゃんって主張して、またぞろ動物愛護法が改正されて両生類も不可になったら、アカハラとかモリアオとかとっ捕まえてネットオークションとかに出品している人たちが怒るでしょうね。
 とある掲示板で、繁殖して飼いきれなくなったヘビの里親探しをネットオークションでやったらダメだと言われたんで、野に放ってやったとコメントしている人がいました。

 昆虫や変な虫業界のネット取り引きは熱いですね、いまだに。筆者は山に住んでいながら森に分け入って虫を探すのが面倒なので、ネットの海に出かけることが少なくありません。メジャーなマニアの人たちとちがって筆者は、野山に分け入るとけっきょく誰も振り向かないようなしょうもない虫を捕獲してきて飼おうとしたりして、けっきょく殺してしまったりするわけです。ネットの海に探しにゆけば、飼育ノウハウ付きでおもしろい虫が見つかり、筆者のような未熟者でも無難に飼えたりするわけです。それでも邪道なことやろうとして失敗しますけどね、いまだに。

 で、ここからが本格的な愚痴です。虫を送っていただくのはひじょうに楽しみでワクワクするわけですが、生体のコンディションを維持するための厳重梱包には苦しめられることが多いですね。指先サイズの虫が1頭ずつプリンカップに収容されていて、それが大きな段ボール箱に納まっています。段ボール箱を開くと、新聞紙の山が際限なく出てきます。虫の梱包を解く作業は、延々と新聞紙を取り除き、しわを伸ばして畳むという作業の繰り返しになります。いったい何十枚新聞紙が入っているのだろう、とってもとっても次々に新聞紙が出てきます。かたわらには適当にしわ伸ばしされ適当に畳まれた新聞紙の塔が、どんどん成長して行きます。ガサゴソと耳障りな音を立てながら、延々と新聞を畳むのはキッパリ言っていじめです。真夏あるいは真冬の作業は拷問です。なんでも白状するから許してくれと懇願したくなります。
 ご立派な新聞紙の塔が屹立する頃、ようやくお出ましになったプリンカップの数々。それらを箱から取りい出し、さらに底敷きになっている新聞紙と格闘して塔の高さを更新し、ついに段ボール箱の底というゴールに到達したなれば、段ボール箱と新聞の塔を縛って廃品回収に出せる状態にします。ほんと、よっく働きました、無賃で。
 真夏ならば、凍らせたペットボトルが同梱してあったり、真冬なら使い捨てカイロが入っていたりして、その処理にもげんなりさせられます。
 満身創痍して完成させた資源ゴミのかたわらには、小さなプリンカップが並んでいます。これらを収穫するために、わしはあの膨大な量の新聞紙と戦い、ご大層な資源ゴミを築き上げたのかぁ。一気に老け込みました。
 プリンカップにはまた、ひとつひとつティッシュなんぞが詰め込んであり、虫と接近遭遇を果たすにはカップを開封してティッシュを取り除かねばなりません。カップのフタがセロテープで厳重に留めてあったりします。
 いーーーーっとなりながらセロテープをはがし、プリンカップを開封し、詰め物を取り除きますと、お目当ての小さな小さな虫が、フンとふんぞり返っています。労苦が報われる瞬間です。
 イーーーーーーッとなりながらすべてのプリンカップから虫たちを取り出し、あらかじめ用意しておいた飼育ケージ、手のひらサイズのプラケースに虫たちを収容します。
 小さなプラケースが今後の虫たちの生活の場のすべてです。こんなに小さな場所に納まるものが、あの壮麗な梱包に入っていたのかと思うと唖然とします。

 でもね、虫を発送する人の苦労もまた大変なわけですよ。何度も確認しながら注意深く梱包し、発送先から無事届いたぜの知らせを受けるまで、死着しませんように死着しませんように死着しませんように死着しませんように死着しませんようにと祈り続けるのです。
 虫の配送の、なにか良い方法ってありませんかねぇ。
 最近は注文してませんが、餌用活コオロギや活ジャンボミルワームが届いた場合の開封にもずいぶん苦しめられました。段ボール箱を開けると、クシャクシャに丸めた新聞紙の森の中で数百匹のコオロギが跳ね回っているわけです。これをストック用のケースに移す作業はキツかったですねぇ。手を抜くと虫が逃げますしね。ジャンボミルワームはフスマの粉の中に潜っている虫をせっせと発掘してストック用のケースに移動させます。まるで悪夢です。

 虫の輸送と厳重梱包との戦いは無縁なものにはなり得ないのでしょうか。我々は虫を送っていただこうとする限り、この地獄をまぬがれられないものなのでしょうか。
 筆者が虫を誰かに送りつけるというシーンはあまりありません。でも皆無ではありません。あるとき小さな虫を20頭ばかり発送することになった筆者は、それらを1頭ずつピルケースに入れることにしました。ピルケースは10個ばかりの個室が数珠つなぎになっていて、それぞれの個室にフタがついています。すべての個室に小さな空気穴を開け、すべての個室に加水したティッシュを少量詰め、そこへ1頭ずつ虫を閉じ込めて行きました。虫を収容したピルケースを小さな発泡スチロールの入れ物の底に、ガムテープを筒にして両面テープ状態にしたもので貼り付け、発泡スチロールのフタをクラフトテープで留めれば梱包は完成です。
 梱包がひじょうに小さいうえに開封も楽だしゴミもあまり出ません。真夏でも虫を生きて届けることに成功しました。これは先方にも喜ばれましたよ。発泡スチロールの断熱効果はすごいので、保冷剤を入れなくても虫が蒸し焼きになることはありませんでした。

 ナイヤガラだったかジャングルだったかアマゾンだったか、なんかそんなトロピカルな名前の大手通販ショップがあるじゃないですか。あそこも梱包が簡素でゴミも少なく、しかも破損なども発生しないとっても開封者に優しい方法を採っていますね。虫の輸送にもあんな感じの画期的な方法が考案されないものでしょうか。

 いつだったか、100頭ばかりの虫を100個ばかりのフィルムケースに個別梱包して送ってもらったことがありました。途中で、この作業はいつ終わるのだろうと、妙な幻想に取り憑かれそうになりました。セロテープをはがしてもはがしてもまだまだ山のようにフィルムケースがあり、作業をなし遂げたあとのプラゴミの山にも愕然としました。もちろんその前に新聞紙たたみ作業もされられました。あの時ばかりは、もう虫を送ってもらうのはやめようかと真剣に悩みました。

昆虫マットと菌糸ビンの劣化

2015/09/03


 カブトムシやクワガタムシ、ハナムグリといった甲虫類の繁殖を手がけるのに、最近は土から餌まですべて市販されていて便利ですね。こういうものがない時代は、山へ行って腐葉土や朽木を採ってきてそれを利用したわけですが、ほぼ確実に幼虫の生育に害を及ぼす雑虫が混入していて、育てている幼虫が全滅してしまうようなことは普通でした。それを防ぐために腐葉土を天日干しにしたり、朽木を数日水に浸けこんだりしたものです。幼虫を食べてしまうものや寄生するものがウヨウヨいて、それを火攻め水攻めで死滅してから使ったわけです。
 ところが、現在市販されているマットは雑虫の心配がまずないうえに、育てようとする幼虫に最適な内容になっていて、幼虫が元気に大きく育ちます。幼虫の死亡率が格段に減少したうえ、大きく立派な虫に育てることができるのです。筆者がまだ中学生の頃にも市販の昆虫マットは存在しました。今から考えると40年いじょうもむかしにそういう製品があったなんて、日本は昆虫先進国ですね。でも当時のマットはおがくずを発酵させたような感じのもので、カブトムシを大きく育てることはできませんでしたね。クワガタムシに関しては、繁殖が難しい虫ということになっていました。

 現在は、マットも進化し、虫の種類に応じで様々なものが出回るようになりました。発酵の度合いを飼えてあったり、原料にこだわったり栄養分が添加されていたり。虫に合った市販品さえ使用すれば、産卵数も多く、幼虫も大きく育つ、今はそういう時代です。
 ところが、そんな状況でホイホイ失敗を繰り返す筆者は、なんなのでしょう。筆者は熟達した飼育者のように虫の種類に応じてきめ細かい飼育環境の調節を行なうということをしません。多くの種類に応用できる飼育環境を何にでも流用する、繁殖に成功したとして大きさや形なんてどうでもよい、そんなずぼらな姿勢で育てています。同じ飼育環境でそれぞれの虫がどんな生態を見せるのか、それに興味がありますし、たくさんの種類を飼ってそれぞれの個性を発見することにも興味があります。
 一度にたくさん飼っていると、世話を忘れてしまったりすることも少なくなく、汚れたり劣化したりしたマットの交換が遅れてしまったりということもしょっちゅうです。生き物の夢を見ると、決まって長らく世話を忘れていた動物を見つけ、反省するという内容です。
 なので、管理が遅れて虫を死なせてしまうこともよくあります。つい最近まで、筆者はマットの劣化についてほとんど考えたことがありませんでした。マットが糞だらけになったら交換してやる、菌糸ビンの中身が食べつくされたら交換してやる、そんな感じでいいと思っていました。
 ハナムグリなどは、幼虫が孵化したら安心してそのまま放置して忘れてしまい、あるとき気づいてみればマットがほぼ完全に幼虫の糞と置き換わっていた、そんなことも少なくありません。そんな状況になってもマットを交換すれば無事に済むので、あまり反省もしないわけです。
 クワガタムシの幼虫の菌糸ビン飼育でも、去年は十数年ぶりにそれを手がけたわけですが、そろそろ交換してやろうと思い立った時には多くの幼虫が前蛹や蛹になっていて、けっきょく成虫まで交換なしで育てた、そんな感じでした。それでもアマミヒラタなどは75mmという立派なオスに成長しましたけどね。これではまた反省しないですね。
 それで、今さらながらマットや菌糸ビンの劣化について少し勉強しました。

・マットについて。
 現在市販されているマットの多くは、甲虫類の好む広葉樹を細かく砕いて発酵させたもので、発酵が浅いものは色が明るく、よく発酵しているものほど色が黒くなります。基本的に色の明るいマットはクワガタムシの産卵用および幼虫の餌、黒いマットはカブトムシやハナムグリの産卵および幼虫飼育用です。もっとも種によってクワガタなのに黒マットを好むものもいますし、ハナムグリの種類によっては明るい色のマットの方が良い場合もあります。
 マットは未開封のまま長期保存があるていど可能ですが、使用中のものは劣化が進みます。幼虫の糞だらけになったマットは、交換が必要だと一目で解りますが、マット自身の劣化は見えないうちに進行し、あるとき急に目に見えた劣化が始まる感じです。劣化したマットは水分過多の状態になります。それがさらに進むと泥状になり、中の虫は水没したような状態になって大きなダメージを被ります。
 筆者がこれまでに経験した、前蛹または蛹まで育てて死滅させてしまうという失敗は、マットの劣化によるものかも知れません。
 成虫を飼育中のマットも劣化します。とくに大食いの成虫はたくさん尿を排泄し、それがマットの劣化を招くようです。カブトムシを成虫を飼っていてマットが水分過多になってきたら速やかに交換しなければなりません。メスがいた場合産卵しなくなってしまいますし、すでにマットの中に卵があった場合は、卵が死んでしまいます。
 筆者の経験では、カブトムシやハナムグリ類のあらゆる虫の飼育でマットの劣化がみられました。マットの表面が乾いたら水をかけてやったりしていますが、そのせいでいつの間にか水分過多になってしまうのだろう、そんな認識をしていましたが、マットの湿度には気を配り、泥状になってしまわないよう新しいものと交換しなければなりません。

・菌糸ビンについて。
 ボトルにマットを硬く詰め込んでカワラダケの菌糸を繁殖させた状態のものが菌糸ビンで、大型になるクワガタムシの幼虫の飼育に大きな効果を発揮しますが、これも劣化します。未使用のものはあるていどの長期保存が可能なようですが、幼虫を育てていると次第に劣化して行きます。カワラダケは白色の菌糸でマットを覆っていますが、これを幼虫がどんどん食べて行きます。幼虫が食用旺盛でないと、菌糸の繁殖に負けて、幼虫の方がカワラダケの栄養になってしまうこともあります。
 あまり高温の季節の使用は避け、25℃以下で幼虫を飼育する方が良いですね。幼虫に食べられて菌糸は減ってゆきますが、白い部分がなくなりマットが変色して行くのは、幼虫による消費だけではないようです。マットの劣化は菌糸が養分を吸いつくしたから生じるという説明を読んだことがありますが、よく解りません。とにかく劣化が始まると部分的にクリーム色やキャラメル色に変色し、水が出てドロドロになってゆきます。
 充分に育ったクワガタムシの幼虫は、こんな状態でも耐え、蛹室を作って羽化に至る場合もあります。筆者の去年から今年にかけてのヒラタクワガタ類の飼育がそうでした。でも、前蛹や蛹の死亡率は高まりますし、羽化不全や羽化直前の死亡にもつながります。筆者の経験ではクワガタムシではハナムグリよりもマットの劣化に強いように思えましたが、あえて危険を冒す必要はないでしょう。
 8月末に菌糸ビンに幼虫をセットしたとすると、11月下旬に交換し、次の交換は3月中旬から4月上旬あたりになりますかね。3ヶ月スタンスにはなっていませんが、幼虫が冬眠している時期は避けないといけません。
 ものぐさな筆者の場合は、9月中旬以降に菌糸ビンをセットして、4月中旬あたりに交換って感じです。これだと交換は1度だけということになります。
 大きな成虫を得たい、冬場もあるていど加温して管理する、そんな場合は筆者のやり方は通用しません。

 マットにしろ菌糸ビンにせよ、劣化による湿度過多や液状化は恐ろしいです。マットがドロドロになるまで劣化していなくても、急に白カビが大繁殖して前蛹や蛹を死なせてしまうケースがあります。筆者はまさに今年、シラホシハナムグリの蛹と活動前の新成虫を大量に失いました。
 甲虫類を飼うことは、土を飼うことです。土を元気に保つことが成功の秘訣ですね。
 菌糸ビンの場合は、幼虫が越冬に入る前に1度交換し、越冬後に様子を見てもう1度交換するていどが望ましいでしょう。大量にブリードされている方は、ビンごとに劣化の度合いを確かめたりせず、3ヶ月経ったら一斉に交換するといった手法をとっているようです。

雑草抜き

2015/10/20


 11日の日曜日に、息子と2人で秋の草むしりをしました。だいたい夏前と秋口にやりますね、うちでは。でも今年は雑草がひじょうに少なかったのですよ。常連のセイタカアワダチソウやヒメジョオンもわずかでしたし、ヒメオドリコソウはほとんど姿を見かけませんでした。あとはエノコログサが少量、カタバミはまぁいつもどおり。カラスノエンドウも見かけなかったなぁ。



 ポリブクロにたっぷり2杯のほとんどは、庭木の枝をはらったものです。ツリージャーマンダーやフレンチラベンダーは毎年どんどん増えるので大胆に刈りました。スイートプライヤーローズも、近年成長が激しいのでバッサリ刈りました。棘には泣かされました。葉がすくなくて茎ばかりが縦横無尽に伸びてみすぼらしいです。



 家を購入した時に最初から植えてあった、小さな白い花を咲かせる木は、息子が切株を残してバッサリ切っちまいました。木の名前を調べようと思うのですが、ご近所のあちこちに植わっているありふれた植物なので、つい関心がわかなくて。
 写真の右側は、フラックスリーフティートゥリーを刈ったものです。これも近年よく伸びて広がります。



 枝を縛っているところ。堅い枝はポリ袋に入れると袋を突き破るので、縛ってまとめてそのまま粗ゴミにだします。



 粗ゴミ完成。こういう束が3つできました。
 今年雑草が少なかったのは、ツルニチニチソウとパープルペリウィンクル、それにツタが大繁殖して花壇の地面を覆い尽くしたからかもしれません。あまりにもすさまじいので、これらも大胆に刈り取りました。
 アメリカ産のグレイシャーあたりかと思われるよく見かけるありふれたツタですが、これも家を購入時にすでにあったものです。その頃は1mばかりのものが1本地を這っていただけだったのに、最近は庭のフェンスを越えて石垣にまとわりつくわ、花壇を飛び出して玉砂利の上を這いまわるわ、えらいことになっています。もう1つ葉の細かいツタは、筆者の自室にあったものを植えたのですが、今やフェンスを覆い隠しています。これは嫁さんの顰蹙(ひんしゅく)を買ったのでいつか取り除きます。
 現在、満開中のコバナノランタナとチェリーセイジは、初冬の花の終わったあとか、来年の春先に刈ることにします。

食草の鮮度を保つ

2016/05/17


 チョウの幼虫など植物の葉を食べたる虫を飼育する場合、ケージ内に生の葉を入れておかねばならないわけですが、切り葉を放り込んでおくだけではすぐにしおれてしまい、悪くすると餌にならないような場合があります。また、ケージ内の葉の鮮度が維持できれば、手間を減らせたり数日間の外出が可能になったりとメリットもあります。とくに落葉植物の葉はすぐにしおれてしまうので、茎の切り口を水に差しておかないと1日ともちません。
 枝に着いた葉の場合は、枝の切り口を、1枚1枚切り離された葉の場合は、何枚かの葉を束ねて茎の切り口を水に差しておきますが、虫を小さなケージで飼う場合は、水を貯めた容器をケージ内に収容するのが困難です。そこで枝や茎の切り口にティッシュを巻き、それに充分に水を含ませて上からラップやアルミホイルで包むといった、なかなか面倒な手間をかけることになります。
 ものぐさな筆者は、その手間を省くために小さなケージ用の水容器を工夫してみました。



 これは10cm四方ていどのタッパーです。フタにカッターナイフで十数個の穴を開けました。専用工具を使って丸い綺麗な穴を開けると見栄えがしますが、丸い穴よりも四角い穴の方がずっと便利です。同じ径の穴でも丸よりも四角の方が太い枝や、複数をまとめた茎を差し込みやすいです。



 タッパーは高さ2cmていどの浅いものを選びます。これだと15cmのプラケースのような小さなケージでもこじんまりと収まり、ケージ内を広々と使えます。また細長い容器とちがって倒れたりする心配がありません。



 タッパーに水を半分くらい入れて、プラケースにセットします。写真ではプラケの底にティッシュを敷いています。



 ウスバサイシンの切り葉です。ジプロックに詰めて密封し冷蔵庫でストックしています。この状態で1〜2ヶ月は鮮度を保てます。常緑樹の葉は日持ちがして良いですが、落葉樹の葉は鮮度を保つのが難しく、こまめに採りにゆくしかありません。



 葉の茎の部分をタッパーの穴に差し込みます。細い茎なら1つの穴に2〜3本差せますから、穴の数の2〜3倍の葉が差せるわけです。



 40枚以上の葉を差すことができました。すべての葉の茎部分が水に浸かっているので、数日間鮮度が保てます。写真ではギフチョウの幼虫を入れています。
 この容器を使用するにあたり注意すべきは、タッパーに水を入れすぎないということです。水量はタッパーの半分ていどにします。1つの穴に複数の茎を差している場合、毛管現象で容器の水が吸い上げられ、ケージの中にあふれだし、ケージの底が水浸しになります。誤って葉から落ちた幼虫はたやすく溺死してしまいます。



 高さのあるケージには、小さなペットボトル等が使えます。なんの加工も必要ないのでお手軽です。



 写真ではクズの葉を差しています。クツワムシの飼育に用いています。クズの葉は落葉なので水に差しておいても日持ちしません。でも水に差しておかないとすぐにしおれてしまいます。



 高さよりもどちらかというと幅のある容器は、ペットボトルのように転倒する心配がないので、1週間とか長い期間用いるのに向いています。上記の浅いものでは貯めてある水がなくなってしまうこともありますが、そこそこ容量があるので大丈夫ですね。ペットボトルとちがって場所もとらないですし。うちでは常緑樹の葉を枝ごと切ってきて差しておくのに使っています。これでオオコノハムシの世話は週1ていどで済みます。

 小枝のようなしっかりした植物を差すには、タッパーなどが便利ですが、クズの葉のように茎が柔らかく、葉もすぐにしおれてしまうような植物には、やはりペットボトルが向いています。キリギリスやバッタのように立体行動が主体の虫では、食草がケージの底に寝そべっているのはかなり悲しいですからね。
 用途やケージに合せて適した水容器を使い分けるのがよいですね。

虫取り名人様のこと

2016/09/26


 今年の夏は、虫取り名人様のおかげで本当に熱い夏になりました。"暑い"じゃなくて"熱い"です。夏の後半は暑かったですけどね。虫取り名人様は神奈川県にお住まいの筆者と同年配のナチュラリストです。彼とは今年の春先からのお付き合いで越冬中のカメムシを何種類か送っていただいたのが最初です。
 筆者のこれまでのカメムシの飼育はサシガメや水棲カメムシを数種類手がけた程度で、草食性のいわゆる最もよく目にするカメムシは飼育困難な昆虫というイメージがありました。だいいちカメムシなんか飼ったら周りが臭くなるじゃん、そんな愚考も先行していました。この夏は彼のおかげで目新しいさまざまなカメムシに出会えたのみならず、カメムシが飼育動物としてひじょうに興味深いものであることが解りました。クチブトカメムシのように肉食もする草食性カメムシもいるってことも知りましたし。
 彼はまたさまざまなハムシも紹介してくれました。これまで筆者はハムシをまともに育てたことがありません。食草の採集とストックが大変ですし。
ところが彼はジンガサハムシを産卵させ成虫まで育てていました。虫取り名人であるばかりか飼育繁殖の名手であることに、筆者はすっかり舌を巻き、叶うならば彼に弟子入りしたい思いでした。
 ヒメバチの仲間やハエ、アブもたくさん紹介してくれました。それらの種類の多さ、生態のおもしろさに目が回りました。生き物に興味を持ち始めて半世紀になりますが、自分がまだ入口に立ったばかりであることを痛感しました。
 オカダンゴムシの多彩な色彩変異や、オカモノアラガイという陸棲軟体類との出会いも、筆者にとっては大いなる驚異でした。
 そしてクモ。これも筆者がほとんどノーマークだった動物です。身近にたくさんいるので時折捕獲して飼ったりもしていましたが、虫取り名人様に出会って、ひじょうにたくさんのクモの存在を知りました。これまで図鑑やネットでしかお目にかかっていない様々なクモの実物と彼は出会わせてくれました。
 飼いやすいクモそうでないクモも解ってきました。

 彼はまたスズムシの累代飼育をてがけ、色素変異型の存在を学会やマスコミに知らしめました。筆者もその一部を分けていただき、研究のお手伝いをさせていただいているところです。
ここまでくると名人というより権威ですね。おかげで今年は、生き物の世話に時間と労力が足りないくらいでした。
 筆者の十八番(おはこ)である物量戦いわゆる何でもかんでも収集し眺めるという点ではひじょうに成果が上がりましたが、観察と研究を掘り下げるには至りませんでしたね。
 まぁ、永久素人の筆者が研究に参加したところで、世にはすでに多くの熱心な研究家や権威がおられるので、お役に立てることはほとんどありませんが。

 そんなわけで、虫取り名人様のおかげで今年は、20年分くらいの新たな虫との出会いがありました。虫取り名人とは筆者が勝手に呼称しているもので、彼ご本人がこれに対しどう思っておられるのかは確かめたこともありません。仕事に追われていることにかまけて山に住んでいながら林や野に分け入らなくなって久しい筆者に比べ、彼は日夜自然とふれあいその移ろいを肌で感じて暮らしておられます。そうした中で虫を見つける目を肥やし、手元で繁殖させる術を身に着けてこられたのでしょう。
 そんな虫取り名人様の生の声をちょっぴり取材することができましたので、多くのナチュラリストの方に参照していただきたいと思います。

* * *

今日は新しい場所を発見いたしました。
ほとんど人が入らない、日の良く当たる 原っぱです。
土木関係の会社の敷地でしょうか草が生い茂っていて 門にチェーンがかかっていましたが、会社は休みのようなので・・・

入っちゃいました(^▽^)/

そこで 虹色のむしを見つけた時はとても胸がドキドキしました!
帰宅後、調べたところ、名称は「アカガネサルハムシ」食草はブドウでしたが、発見した葉は食草ではありませんでした。
どうりで周りをいくら探しても見つからなかったわけです。
風の強い日だったので きっと、どこからか飛んできて たまたま とまっていたのを発見したのでしょうか...

突然大きなアリが私の目の前に現れました!「なんだこのアリ!」
初めて見るカラフルな大きなアリです・・・調べてみたら・・・「ミカドアリバチ」 羽根もないのにハチでした(・□・;)

他にもヤブキリやヒメギス もたくさんいましたが、ヤブキリは高い所にいるのでつかまえるのに苦労しました(;^_^A
ヒメギスは警戒心が強く一匹もつかまえられませんでした( ノД`)

その後もヒメギスをなんとかつかまえようとあの手この手で試してみましたが・・・
来年の課題となりました(;^_^A
どんな生き物でもそうですが、逃げたりかくれたりするのが本当にとても上手ですね!
つかまえようとすると、すぐに ころっと落ちたり、飛び跳ねて逃げたり 葉の裏に隠れたり 地面に潜ったり
一度見失ったら最後!いくら探しても絶対に見つかりません。
きっと隠れる場所を前もって探してあるのでしょうか、私より頭がいいのは確かですね(;^_^A

だれもいない原っぱで童心に戻って夢中で虫取りをした とても楽しい夢のような1日でした。(o^―^o)
筆者様にもこういった経験ありますよね・・・
「むし」って・・・つかまえたり・・・観察したり・・・ ほんとうにわくわくさせてくれますよね!

* * *

当方、小さい頃は、よくいる虫好きの子供で「将来は昆虫博士になるんだ!」と言っていたそうです(;^_^A
大人になるにつれ 他のことに興味を持つようになり、虫のことなど長い間 すっかり忘れていました。

そんなある日、子供の頃好きだったエンマコオロギを見つけ育ててみることにしました。
最初は数匹だったコオロギが毎年どんどん増えていくことが楽しみになりました。
3年後には500匹程になり次の年を楽しみにしていましたが、残念ながら全滅させてしまいました(ノД`)・゜・。

とてもショックで「もう虫なんか飼うもんか!」とその時は思いましたが、
観察して初めてわかる驚き、翌年何倍にも増えていく楽しさ、日々大きくなっていく成長を見る感動をどうしても忘れられず、
翌年には、スズムシの卵を買ってきて飼育していました(;^_^A

エンマコオロギの飼育の経験もあってか スズムシは順調に増え続け 3〜4年後・・・
増えすぎちゃったので(;^_^A
まとめて1万5千匹ヤフオクに出品したところ・・・落札されました。(^▽^)/
しかし喜ぶのもつかの間、次の年から思ったように増えてくれません。
飼育方を見直し いろいろ考えたり試したりして10年ほどかかってようやく安定したした飼育ができるようになってきました。

この頃は、山に虫を捕まえに行くなんて考えてもいませんでした。
虫をつかまえるようになったきっかけは、偶然見つけたカマキリをオークションに出品し落札されたことから始まりました。
落札していただいた方からカマキリやバッタ ダンゴムシ ハサミムシ ミミズ ムカデといったその辺にいる虫の捕獲のご依頼を受け、休みの日には夢中で探し回っていました。
木の皮をめくって大きなアオズムカデが飛び出してきた日にゃ〜 もう心臓が飛び出るかと思いましたよ(・□・;)

でも・・・幼い頃に夢中でさがしていた大好きなむしたちと出会うたび ドキドキ ワクワクするとても幸せな時間でした・・・
奥深い森の中 大きな樹木に囲まれ 自分だけの とても居心地のよいところ、 森の香り 鳥のさえずり 何とも言えない世界に癒されています・・・

ですので、虫取りは一生やめられないですね(o^―^o)

私をこんな気持ちにさせていただいた筆者様に本当に感謝です<(_ _)>
筆者様に言われている「虫取り名人」の名称ですが、虫取りをはじめてまだ1年です。虫取り名人になるにはまだまだですよ。
でもそう言っていただけてとっても嬉しいです。
その名に恥じぬよう これからも大好きな虫を探しに行ってきま〜す(^▽^)/

* * *

いくつか質問にも応えていただきました。

:主にどういった場所で採集されますか?
:主に草原や林などの日当たりの良い 虫たちをよく見かけるポイントを探しています。

:珍しい虫を見つける秘訣は?
:秘訣と言えるかどうかわかりませんが、まず一礼してから山に入らせていただいています。
山を歩きながら 少しでも動く物や 周りの色と違う色の物を見つけることができる 良い視力が必要になります。
探すところは・・・葉の上、葉の裏、木のまわり、地面、 石や何かの下、葉が食われているところ、糞が落ちているところ 街灯の周りなど、
ゆっくり観察しながら探しています。
また 虫たちは足音や動くものを素早く察知してすぐに隠れてしまいますのでそっと歩くようにしています。

:カブトムシやクワガタムシのような、多くのマニアが欲しがるような虫は採らないのですか?
:これまでいろいろな虫を捕まえてきましたが、まだ見たことのない珍しい虫を探し続けていきたいと思っています。

:大物の虫を採る人の中には、生息環境の破壊行為に及ぶ人もいるようですが、どう思われます?
:とても良くない事だと思います。規制ができるようになればいいですね。

:採集した虫を死なせずに持ち帰る工夫は?
:基本プラケースに入れて持ち帰ります。
多数匹の場合は 共食いや損傷等が無いよう1匹づつ分けます。
蓋つきの大きなケースも欠かせません。これは素早い虫を逃がさないよう一瞬で捕まえる時にも使います。
それでも足りない場合はビニール袋に潰れないよう木の葉などを入れて入れて持ち帰ります。

:危険な目に遇ったこと、あるいは採集者が注意すべき点とかありますか?
:マダニが腕についていたことがあります。ベイトトラップをイノシシに荒らされたことがあります。スズメバチにはよく刺されそうになります。
採集場所に「マムシ注意」の立て札があります。なので、明るい色の帽子と膝下まである長靴を夏でも履いています(;^_^A

:散歩や通勤途上などで、何も準備がない状況で興味深い虫を見つけたらどうします?
:どんな時でも捕獲できるよう 常にビニール袋を持ち歩いています。どうしても捕獲出来ない状況の場合は後で行って探します。

:色素変異のスズムシについてお聞かせください。
:4年程前より通常よりも薄い体色の個体が羽化するようになり どうしても原因を解明したくなり、
自分なりにいろいろ調査や実験を繰り返してきましたが確かな答えが出ませんでした。
専門家の方にも相談し、2015年11月7日の「山陽新聞」に掲載され 2016年(今年)の「月刊むし」に掲載されましたが、やはり原因は解明できませんでした。

今年の夏、筆者様にも拝見していただいたところ、 ハイポメラ二スティックではないかとのご見解に非常に納得がいきました。
アルビノのように自然界には稀にあることで、特別な原因などなかったのではという結論に達しました。
原因ばかり考えていて見えなくなっていたことに筆者様が気付かさせてくれました。

筆者様へ
喉のつかえがやっと取れたようです。本当にありがとうございますm(_ _)m
これからもご相談させていただくこともあるかと思いますので今後とも宜しくお願いいたします。

* * *

 これまで、虫を見つけても写真だけ撮って満足することも多かったのですが、虫とり名人様に出会ってから飼育観察の機会が増えました。せっかく送っていただいた虫を撮影するだけなんて虚しすぎますからね。我流でせっせと飼育を手がけ、失敗の山をいっそう高く築き上げました。でも、今後もめげずに小さな生き物たちと格闘して行きます。
 虫の採集自体を生態系に危害を加えることだと考える人もいるようですが、人間がどんなに手を尽くして採集しても、鳥類等の捕食に比べたら、その数はたかが知れているとも言われます。筆者は多くの人たちが小さな生き物に興味を持ち、彼らを取り巻く環境がどんなふうになっているのかを見て感じて、新たな考察をネット上に残して行っていただきたいと思っています。
 生物の愛好家に自然環境の破壊者はいないと思います。自然を知ることでよりいっそう環境の保全に関する知識を深めて行くことでしょう。そして自然から得た知識は、積極的にネット上に発信して行きましょう。そうした知識の蓄積が、環境保護の重要な手掛かりにもなります。どんなにきれいごとを言っても、人間は生物を狩って食べ、自然環境に手を加えて自分たちの都合のいいように作り変えて行きます。そのこと自体を破壊とは思いません。ビーバーだってダムを作りますし。
 恐ろしいのは、無知のまま環境に手を加えることだと思います。ミヤコタナゴの絶滅が危惧されるから採集を禁じる、しかしながらその繁殖に必要な二枚貝にダメージを与える川底の工事はやって良し。こういうことが恐ろしいんですよね。もっとも絶滅危惧種だけに配慮した環境保護も問題が小さくないのでありますが。
 いずれにせよ、我々は解っているようでまだまだ無知です。より多くの方々の研究への参加を切望します。

昆虫ゼリーとドッグフード

2018/01/27


 現在飼育している動物は、ヘビ、スキンク、プレートトカゲ、サソリ、サソリモドキ、ウデムシ、オオチチグモ、ゴキブリ、サシガメ、クワガタムシ、水棲ヒル、淡水生の貝類と魚類といったところでしょうか。カマキリやカメムシ、ギフチョウほか冬眠中の虫がいくつかいます。
 で、餌の話しなのですが、ストックしている餌は、冷凍マウス、ドッグフード、昆虫ゼリー、魚用のフレークフードとタブレットです。魚類にはたまに冷凍アカムシを与えていますが、これはイシビルの飼育用に入手したもののイシビルがいなくなって余っているものです。
 あとは2週間に1度バナナと小松菜を買って来ます。バナナと小松菜は買ったその日に1度与え、1週間後に残り半分を与えます。

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 完全草食のオマキトカゲの餌は、小松菜とバナナです。給餌は週に1度です。

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 アオジタトカゲには、バナナとドッグフード、小松菜の茎を少々。アオジタは葉っぱは好きじゃないようです。夏場は時おりマウスを与えます。昆虫ゼリーも好きですね。

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 プレートトカゲのマキシムキングゾノザウルスは、バナナとドッグフードです。よく残します。食に対する執着があまりありません。たまにマウスを与えますが、食いつかないことも多いです。

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 ゴキブリの餌は、ドッグフードと昆虫ゼリー。基本的に飲み水は与えません。ケージ内に水を用意するとケージ内の汚れがひどくなるので。
 ドッグフードと昆虫ゼリーというメニューは、アオジタトカゲのベビーにも用いています。アオジタの成体に給餌する時には、成体と同じメニューにしますが、週に1〜2回、ドッグフードと昆虫ゼリーを与えています。ベビーには時おりレッドローチも与えます。生き虫は嗜好性が高く追い掛け回して食べます。スキンク類のベビーの飼育にはカルシウム不足によるクル病の発症の危険が伴うと言われていますが、うちではカルシウム剤は使用していません。ドッグフードに期待しているからです。去年生まれたベビーたちは、現在までクル病の心配はないようです。

 以前は、イグアナフードと肉食性のリザードフードを使用していましたが、最近はドッグフード頼りです。ドッグフードは爬虫類用飼料に比べてずいぶん安価で、しかも栄養価も充分、嗜好性も悪くありません。ゲンゴロウや巻貝もよく食べます。ドッグフードいいですね。これと昆虫ゼリーがあれば、かなり無敵です。様々な生き物に活用できます。肉食昆虫やワラジムシ等の飼育に、以前は熱帯魚用フレークフードを使っていましたが、最近はドッグフードですね。熱帯魚フードは残りが少なくなると大量発生中ゴキブリたちにふりかけてやります。

 ということで、野山を駆け回って虫や小さな生き物を連れて帰るクセのある人は、昆虫ゼリーとドッグフードを常備しておきましょう。
 で、ドッグフードにも様々な種類があるわけですが、柔らかタイプのものは長期保存に向かない気がするので、ドライフーズ系が良いと思います。あと、チーズとかあれこれ入っているのもどうかと。幼犬用のコツブなのがいいですね。理想的なのがあれば教えてください。

過剰梱包の恐怖

2018/02/06


 今の世の中、通販によって珍しい生き物や外国産の虫などをお手軽に入手できるので、筆者のような素人でも珍虫奇虫を手に入れることが可能なわけですが、虫が送られてくる際の過剰梱包にはひじょうに憂鬱になります。
 下の写真は、指先にのるほどの虫が2頭送られてきた時の梱包の様子です。虫自体は5cm径ほどのプリンカップに入っていたのですが、とどいた荷物は一抱えもある大きな段ボールです。

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 そして段ボールを開けると、ぐしゃぐしゃにした新聞紙が詰め込まれ、それを取り除くとまた箱が出現します。箱はさらに中に段ボールと新聞紙が押しこめられ、果たしてこの中に虫が入っているのかと心配になってきます。
 最後の最後に山のような新聞紙の中から、緩衝材(プチプチ)に包まれたプリンカップ2個を発掘することができました。まるで大海から小さな魚を探し当てるような作業です。

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 梱包を解くだけでも、そこそこ広い場所が必要です。これだけの量に新聞がどうやって入っていたのかとあきれるほどの散らかりようです。ぐしゃぐしゃの新聞のしわを伸ばし、せっせとたたんで小さくするのが梱包を解く以上に大変な作業になります。
 可能な限り小さくまとめた新聞紙と段ボールを紐で縛って、資源ごみとして後日出します。

 夏場であれば凍らせた水の入ったペットボトル、冬であれば使い捨てカイロが同梱されてあり、それらの廃棄も作業に加わります。
 いったいいつになれば入手した虫の観察ができるのだろう。延々と続く作業にうんざりしてしまいます。
 新聞紙の断熱効果はなかなか優れていて、業者はふんだんにこれを使用します。梱包と出荷の作業も大変でしょう。そして肥大化した荷物は送料を引き上げます。
 これって何とかならないものでしょうか。通販で生き物を入手するのは良いのですが、過剰梱包との格闘を考えると、ほんと憂鬱です。
 業者によってはコンパクトな発泡スチロールを使用してくれるところもあり、これだとゴミの量と解体作業は格段に減少します。

 爬虫類の餌として購入する生きたコオロギはさらに大変です。段ボールを開けると丸めた新聞紙がぎっしり詰まっていて、その中にコオロギたちがまぎれています。これを逃がさずにケージに移すのは至難の業です。ヨーロッパイエコオロギなんかを逃がすと、家の天井裏や縁の下に住みつき、リリ、リリ、と目覚まし時計そっくりな啼き声を延々とかなで、しかも繁殖します。恐ろしいですね。これにはほとほと困り果てましたから、コオロギは買わないようにしています。
 ところがある時、某両生類を通販で買ったなら、餌をサービスしますということで、イエコがワラワラと出てきました。恐ろしいことです。

アリ基地

2018/03/17


 これまで数々のアリの飼育セットを使用してまいりましたが、これはガラス試験管を用いたセットです。

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 これまでで使ってきたものの多くは石膏で巣穴を再現したものでしたが、これはストレートな試験管を組み合わせた構造になっています。

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 セットを上から見ると、アクリル製の大型のケージの側面に試験管が取り付けられた構造になっています。

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 側面図。大型のケージは上フタ式で、ここに餌を入れます。試験管の部分がアリたちの巣穴になるわけですが、そこへ侵入する入口は1ヶ所です。

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 試験管の底部には砂を詰めた給水タンクがあり、スポイトでここに水を注ぐと、水分はゆっくりと巣穴の方へしみだしてゆきます。

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 給水タンクの仕切りが水を吸い込んで赤くなりました。アリたちは巣穴からこれを舐めて水分補給します。

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 緑色矢印の方向に餌場となるケージへ抜ける穴があり、アリがいるすぐ左の丸い穴が、最下段の試験管に通じています。階段を上って黄色矢印の方に進むと、上段の試験管に移動できます。

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 水色矢印のところにある赤い板は、上段の試験管への進入を防ぐセパレーターです。コロニーが少数のうちは最下段の試験管1本を使い、アリの数が増えてくると上段2本の試験管を順次開放して行く仕組みになっています。

 1本の試験管は4つの室に仕切られており、一番奥の室は砂を詰め込んだ給水タンクです。残り3つの室が巣穴になるわけですが、各仕切りには穴が開いていて、アリたちは自在に室を行き来できます。
 給水タンクから染み出す水分はひじょうにゆっくりで、タンクの隣の室以外にはほとんど水分が行き渡りません。飼育者は1ヶ月くらいは水の補給をしなくてよいようですが、アリたちはいちばん奥の室に行かなければ喉をうるおすことができません。

 この機能的な飼育セットは、デザインや使い勝手の面で、ひじょうに優れていると思います。観察もしやすいし、メンテナンスも容易です。
 問題は、アリたちどれだけ長くコロニーを維持してくれるかですね。

陸生等脚類の飼育

2019/01/19


 今年の冬は、等脚類をあれこれ入手したので、その飼育繁殖に奮戦してみたいと思います。すでに何種類か記述しておりますが、まだまだいますので追って紹介してゆきます。等脚類とは、節足動物門甲殻亜門軟甲綱等脚目に属する仲間のことで、等脚目は最近はワラジムシ目とも称されます。いわゆるワラジムシやダンゴムシ、フナムシなどの仲間です。ひところ水族館で有名になったオオグソクムシもこの仲間です。
 等脚類は甲殻類の仲間で、そのほとんどが水生動物で、陸生種であっても昆虫類や多足類のように乾燥にも適した呼吸器を有しておらず、腹肢に擬気管を持ちそれで呼吸します。これをエラ呼吸と言う人もいますが、あるていどの水分が不可欠であることはまちがいないようです。
 これを聞くと飼育者は、皮膚呼吸をするカエルのように湿度が重要であると考え、せっせと土を湿らせて多湿にするわけですが、このことが蒸れによりダメージとなり飼育を失敗させることが少なくありません。筆者も過去にこの失敗を繰り返しました。

 ダンゴムシあるいはワラジムシであっても種によって好む湿度が異なるわけですが、筆者としては例によって何でも同じやり方で飼育し、経過を観ていこうと考えています。

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 まずは、クワガタの産卵に用いる朽ち木を仕入れてまいりました。シイタケの栽培に使用したあとのクヌギ材やコナラ材などが、クワガタ飼育用に市販されていますね。これを流用します。

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 安売りしているものを買うと、古くて樹皮があっさりはがれてしまう材が多いですが、これはじつに好都合です。ぶっちゃけ筆者が欲するのは木部よりも樹皮の方です。

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 木部の方は、1日水に浸け込んでふやかします。樹皮がはがせないものはそのまま浸け込んで、ふやかしてからはがします。

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 樹皮の裏側および木部の表面につているシブを適当に洗い流します。

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 樹皮は理想的なシェルターとして重宝します。長期的に使用できます。

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 木部はあるていど砕いて、小さな木片にします。写真ではドライバーを用いていますが、硬い材だとこれでは歯が立ちません。なた、のみ、のこぎり等が必要になります。

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 なんとか、ドライバーと金づちで適当な木片に砕きました。

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 次に腐葉土を用意します。これは等脚類のエサになります。虫飼育用のものが購入できればよいのですが、園芸店で肥料として市販されているものの中には殺虫剤が混ぜられているものもあり、使用できません。山へ行って採ってきたものは、電子レンジで加熱して雑虫を駆除しておきます。

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 では、飼育セットを仕立てます。筆者の場合まずケージの底に昆虫マットを敷きました。これはなくても良いと思いますが、腐葉土の節約になりますし、なんとなく腐葉土を長持ちさせるような気がして敷くことにしました。これにたっぷり加湿します。

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 腐葉土を乗せます。おおざっぱに昆虫マット2cm、腐葉土2cmといったところでしょうか。大きなケージで大量に飼う場合はもっと増量します。

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 加湿して砕いた朽ち木をのせます。朽ち木がエサになるかシェルターとして重宝するかは不明です。腐葉土の水分の蒸発を防ぐ役にくらいは立ってくれるでしょう。
 先に途中経過を申しますと、ユウレイオオワラジムシはけっこうこれをかじっておりました。朽ち木を定住地としても利用しており、たくさんの糞が見られました。
 朽ち木は菌類の温床なので、カビが生えやすいです。多少の白いカビは問題あませんが、これが増えすぎたり、アオカビ等が繁殖したら除去してやる必要があります。途中経過では、意外とカビが生えないので、等脚類は菌類も好んで食べているのかもしれません。
 以前にクワガタムシの繁殖に使用したあとの朽ち木を庭に放っておくと、土に半分埋もれて湿度を保った状態の朽ち木に多数のワラジムシと少量のダンゴムシが群れていました。

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 樹皮を被せます。樹皮がたくさん用意できれば、何枚も重ねてもよいでしょう。メンテ時に樹皮を裏返すと、そこに等脚類がくっついているのが見受けられます。

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 等脚類を販売しているとある専門家に、ビオフェルミンが良い飼料になる、衰弱している時の立ち上げにも効果があると教えてもらいました。顆粒タイプのものを何種類かのワラジムシに使ってみましたが、あまり食べませんでした。ケージ内で大繁殖した状態であれば有効な滋養強壮サプリになると思います。エビオスも可です。顆粒だと食べた痕が判りにくいので錠剤の方が良いかもです。ほかに爬虫類用のカルシウムパウダーも有効なようです。

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 熱帯魚のエサとビオフェルミンを小皿に入れて与えたところ。熱帯魚のエサはよく食べました。大量飼育の場合はドッグフードが安価でよいです。半生タイプよりも乾燥タイプがよいです。食べ残しを何日も放置してもカビたり腐敗したりしにくいし。

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 大型種では野菜クズも使用できます。小松菜やニンジン、キュウリ、カボチャがお勧めです。お勧めですがけっこう食いむらがあり、常設する必要はありません。水分補給に野菜を入れてやることは有効だと思います。

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 市販されている甲虫類の飼育に用いる木製の昆虫ゼリー置きは古くなると周りの樹皮が脱落してしまいますが。この樹皮がひじょうに重宝します。アーチ状のものを置いておくと、その裏側に群がったりします。
 以前、等脚類を飼っていた時は、腐葉土を用いず、昆虫マットの上にこれを置いていたりしました。するとこれによく群がっていましたが、今から思うと昆虫マットの湿度過多から逃れていたのかもしれません。

 今回は腐葉土を主食にし、朽ち木や樹皮をたくさん入れてやって、虫たちが多湿なところでも乾燥した場所でも選択しやすいように工夫します。
 腐葉土の表面はすぐに乾いてしまいますが、上に朽ち木や樹皮を被せたところは湿度を保っているので、あまり乾燥を気にする必要はありません。乾燥しすぎたと思ったら、エサを取り除いた状態で水をバシャッとかけてやります。
 餌は直置きではたちどころにカビの餌食になるのでエサ皿にいれますが、虫たちが乗り越えられない深いものは使えません。幼虫や小型種には、樹皮片を裏返したものをエサ皿として使います。また、個体数が少ない場合や幼虫にはせっせと給餌する必要はないと思います。腐葉土や朽ち木といった主食が潤沢に満たされているわけですから。

 陸生等脚類は、地中に潜る習性があると思われることが多いようで、筆者が子供の頃に読んだダンゴムシの飼い方にも、十分な土を用意するとありました。たしかにダンゴムシは土に潜ることも多いですが、ダンゴムシが穿孔している土にジャバジャバと水を注ぐのは危険です。土を水分過多にしてしまった場合のためにもそこから逃れる足場は重要です。

 筆者はワラジムシもダンゴムシも一緒くたに扱っていますが、厳密には生態に差があります。ワラジムシは動きが速く乾燥を好み、ダンゴムシには湿度が重要でしょう。しかしワラジムシやダンゴムシにも様々な種類がありますし、小さな幼虫と成虫とでも事情がちがってきます。決めつけてかかるよりも、汎用性のある環境を用意して、彼らの行動に任せるのがよいと思います。

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索引

目次
無脊椎 等脚類 クモ サソリ
多足類 無翅類 直翅類 半翅類
膜翅類 鱗翅類 鞘翅類 コガネ
クワガタ 魚類 両生類 カメ
トカゲ ヘビ 鳥類 哺乳類 絶滅
庭草 雑草 高山 飼育 ヒト
□ 飼育動物データ


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